超富裕層たる金森重樹氏が、2016年にある論文との出会いをきっかけに学びながら実践してきた「断糖高脂質食」。長引くコロナ禍でのステイホーム太りに悩む人や、自宅での食事が増えていることから、SNSでは「#金森式」というダイエットメソッドとして注目を集め、氏のTwitterフォロワー数は12万人を超えている。自身が30㎏以上の減量に成功し、それをキープし続けている成果は、ベストセラー『運動ゼロ 空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂”ダイエット』と、その続編『ガチ速“脂”ダイエット 極上レシピ大全』としても花を咲かせているが、このダイエット法は実は長寿と密接にリンクしているのだという。「120歳まで元気に生きたい」と語る金森氏に、インタビューを行った。
ダイエットより長生き
リバースエイジングを手に入れる時代
今でこそ年商100億円の企業グループオーナーとして活躍する金森重樹氏だが、ビジネスキャリアとしては、25歳のときに1億円以上の借金を背負うという壮絶な逆境からスタートしている。
超富裕層へと這い上がった成功の裏には、「徹底して理詰めで事に当たる」性分があったというが、それはダイエットやその先にある長寿へのアプローチでも変わらない。
「僕が90㎏の超メタボ体型から、わずか2カ月で58㎏まで痩せたのは、あくまでも副産物なんです。痩せたくて断糖高脂質食に取り組んだわけではなく、旧石器時代の食事を試したら、驚くほど痩せた。なぜ痩せたのか? そして太らない体とは? 自分の体型や体調の変化を理詰めで検証しながら、今も継続して実践しています。この体験は、『運動ゼロ 空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂”ダイエット』に詳しく書いてあります。
ただ、僕にとってはそもそもダイエットのために始めたことではなく、それ以前から興味のあったIF(間欠的断食)や寒冷負荷、自社で製造しているNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド、若返りや抗老化作用があるとされる成分)など、長寿研究の一環という位置付けです。健康長寿を科学する最先端のライフサイエンスは、洋の東西を問わず、富裕層が今もっとも注目している分野。
皆さんも、今般のコロナ禍でそれを感じているのではないでしょうか? 今年の1月中旬、東京大学医科学研究所が発表したこちらの研究(老化細胞選択的除去薬、などに顕著ですがリバースエイジングは、自分で手に入れられる時代に突入していると思います」
2016年末、当時歯科医院の経営再生に携わっていた金森氏は、「4週間、旧石器時代の食事=肉、魚、木の実(ナッツ類)だけを摂り、小麦などの穀類、イモ類・乳製品は食べない。その間、一切歯を磨かないでも口腔環境は劇的に改善される」という実験結果が記された論文に出会う。
「単純に本当かな?という興味から自分を実験台に試してみたら、口腔内環境が改善されるだけでなく、月に15kgスルスルと痩せていった。それも内臓脂肪から消えていったのです。当初は、断糖でβ酸化で脂肪を燃やすのではなく、いわゆる“ハードな糖質制限”の域を出ていませんでしたので糖新生が抑制されずアミノ酸の供給のために筋肉が減る方法でしたが、それをきっかけにケトジェニックや寒冷負荷、長寿関連の論文を読み漁り、糖質制限の矛盾やβヒドロキシ酪酸の筋肉保護機能、慢性炎症と肥満のメカニズムを理解したことで、糖質を極限まで排し抗炎症性ω3系の脂質をとる『断糖高脂質食』にたどり着きました」