2020年末ごろから2021年2月にかけて好調に株価が上昇していたテスラの株が死亡事故の影響で急落しました。日本時間の2021年4月20日午前4時45分時点、テスラの株は4月16日時点の株価から3.8%安となり、連動してテスラのCEO、イーロン・マスクの資産が約6,000億円減の1,741億米ドル(1米ドル108円換算で約18兆8,028億円)となったことをアメリカのフォーブスが報じています。

電気自動車で他社の追随を許さないテスラの快進撃は、ここでストップしてしまうのでしょうか。

アメリカで起きた死亡事故の顛末

テスラ,株価急落
(画像=gguy/stock.adobe.com)

2021年4月17日にテスラの電気自動車「Model S」が猛スピードで木に衝突して炎上し2人が死亡する事故がアメリカテキサス州で起こりました。事故当時、死亡した2人はそれぞれ後部座席と助手席におり運転席には誰も座っていなかったとみられ物議を醸しています。テスラのオートパイロット(自動運転支援システム)は、運転手がいない作動しない半自動タイプのはずです。

それをユーザーがなんらかの方法を用いて動かしていた可能性が高いとのこと。現地リポーターは「車が道路のカーブを曲がり切れず木に衝突した」と自身のツイッターに投稿しています。

イーロン・マスクは否定もオートパイロット機能への疑念晴れず

半自動運転機能や運転支援システムの開発は、各自動車メーカーが進めているところです。テスラの自動運転支援システムの安全性については、かねてから議論が行われてきましたが今回の事故を受けてテスラ車の安全性について懸念を表明するアメリカ上院議員も出てきました。警察は「テスラ車の事故にはオートパイロットが関係している」と発表。

一方でイーロン・マスクは、2021年4月27日、SNSにそれを否定する投稿を行いました。投稿によると「これまでに回収されたデータからは自動運転支援システムが有効になっていなかった可能性がある」と指摘。テスラ車は、これまで何度か事故を起こしそのたびに安全性に対する議論がなされています。しかし肝心のテスラ側からは情報が開示されていません。

そのため「なぜ事故が起こったのか」「自動車側のシステムに不備がなかったのか」といった事故の原因や詳細は分からないままです。現在の技術でいうところの自動運転は、完全な自動運転ではなく運転者のアシストを行うものです。そのため長時間運転席から離れたりハンドルから手を離したりすることはできません。

各メーカーは、安全走行のために一定時間以上ハンドルから手を離すと警告音を鳴らして機能を解除するなど安全対策を講じています。また「ディーラーが各地になくサポートも手薄」という事実もあり多くの人がテスラの購入を選択肢から外している状況です。

それでも期待株のテスラ

実際にテスラ車で事故が起こっている点は、今後も重大な課題です。しかし今後もテスラへの期待感は薄まらないでしょう。未来を感じさせる新たなシステムを搭載しているテスラがこれからも成長するためには「安全性確保に向けたシステムの整備」が必要不可欠です。率先して未来を切り開くテスラは、10年、20年後にはより安全機能を強化させて多くのユーザーに自動運転車を提供していることでしょう。

(提供:YANUSY

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