17日の暗号資産(仮想通貨)市場はビットコインを中心に大幅続落している。

先週13日、米テスラCEOのイーロン・マスク氏によって明らかにされた同社製品のビットコイン決済を停止するという発表が大きな下落を招いている。その影響は依然大きく、17日もビットコインを始め多くの銘柄が続落している。

ビットコイン
(画像=月刊暗号資産)

記事執筆時点で、ビットコインは前日比約8%マイナスの490万円ほどを推移している。ドル建では一時4万2000ドル(約460万円)ほどまで下落。これは今年2月末頃の水準となっている。

15日に回復傾向を見せたビットコインや主要銘柄だが、5万ドルを抜けた辺りで上値が重くなり徐々に下落。その後、17日未明にマスク氏が自社で保有しているビットコインを売却、もしくはすでに売却したことを示唆したことにより、価格はさらに急降下した格好だ。

なお、17日15時頃にマスク氏は自身のTwitterで、自社が保有するビットコインの売却を否定している。

マスク氏の暗号資産市場における影響力は今年に入り多大なものになっている。

ビットコインをはじめとした暗号資産市場の底上げだけでなく、今年に入ってめざましい価格高騰を見せているドージコイン(DOGE)の上昇要因にも、マスク氏は大きく関わってきた。それだけに、マスク氏の一連の言動は暗号資産市場の今後に多大なインパクトを与えたと言えるだろう。

少なくとも、マスク氏が懸念を示したプルーフオブ・ワーク(PoW)をコンセンサスアルゴリズムとしている暗号資産は、今回の一件で今後マイナスイメージを抱える可能性もある。

一方で、すでにプルーフオブ・ステーク(PoS)などのPoW以外のコンセンサスアルゴリズムで発行されている暗号資産にとっては追い風になる可能性もあるあるだろう。

しかし、今回の一件は特定の著名人の発言で市場が大きく動いてしまうという暗号資産市場の市場としての未熟さを改めて露呈させた形とも言える。

いずれにせよ、今後しばらくはマスク氏の一挙一動が市場のカギとなるため、引き続き同氏の動向を注視した方がいいだろう。(提供:月刊暗号資産