女優の新垣結衣さんと歌手で俳優の星野源さんが結婚を発表した5月19日、マーケット関係者の間で「ガッキーショック」を心配するメールやLINEが飛び交った。前週にビットコイン価格急落をトリガーに株式市場が“阿鼻叫喚”の下げに見舞われていただけに翌日の株式市場が心配されたが、日経平均株価は前日比54円高でことなきを得た。しかし、株式市場にはまだ多くの懸念材料が燻っている。

日経
(画像=PIXTA)

相場に急落はつきもの。特に上昇トレンド時は要注意

新垣結衣さんの結婚発表の当日、筆者の元に送られてきたメールには、過去の芸能人の結婚発表翌日の日経平均騰落率が並んでいた。それによると、

石原さとみショック 売買全面停止(2020年)
小倉優子ショック -1010円(2018年)
堀北真希ショック -895円(2015年)
福山雅治ショック -714円(2015年)
優香ショック -582円(2016年)

と、人気芸能人18名の結婚発表翌日の日経平均下落率ランキングが記載されていた。なんの根拠もないアノマリーだが、験(げん)を担ぐ投資家も多いだけに大きな話題となった。ちなみに、個人投資家の間では「ジブリの法則」というアノマリーもあって、これはスタジオジブリが制作するアニメがテレビの金曜ロードショーで放映されると相場が荒れるというものだ。

さて、長引くコロナ禍の今、株式市場にはたくさんのリスクが存在している。米国株は史上最高値圏で推移こそしているが、何かきっかけがあれば、再び株式市場が急落する可能性は高いといっていいだろう。投資家であれば、これまでに幾度となく株価の暴落を経験しているはずだ。特に、上昇トレンドの最中に調子に乗ってたくさんのポジションを抱え、その状態で急落に巻き込まれるケースが多いのではないか。何度経験しても、同じことの繰り返し。まさに“喉元過ぎれば熱さ忘れる”といったところか。

前述したビットコイン急落をきっかけとした日経平均の暴落は5月11~13日、わずか3日間で値幅にして2000円以上の下げとなった。金融情報会社のアナリストに電話取材し、「さすがにセリングクライマックスは近いのでは?」と尋ねると、「今回の下げで個人投資家は損切りしているどころか株を買い増しています。相場の下落に果敢に買い向かっているのです。損失覚悟の投げ売りで売りが一巡し、需給が好転するセリングクライマックスには程遠いのではないでしょうか。ちなみに、昨年のコロナショックでは、わずか1カ月間で約7300円も値下がりし、そこがセリングクライマックスとなったのです」との答えが返ってきた。

高水準まで積み上がった信用取引の買い残