ビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨)の価格が再び上昇してきた。現在、編集部では、9月27日に発売を予定している暗号資産のムック本(全国書店で販売予定)の取材が進んでいるが、この本の発売を前に、取材で得た情報を少し紹介したいと思う。

ビットコイン
(画像=PIXTA)

現在、書店に並んでいる本は一昔前のものばかり

まず、取材の下調べとして、暗号資産に関するどのような本が世の中に出ているのか、都内の大手書店を回ってみた。そこで感じたことは、株式投資やFX(外国為替証拠金取引)に比べて、暗号資産を取り扱う書棚のスペースがあまりにも小さいということだ。また、書棚に並んでいる関連書籍の奥付を見ると、ビットコイン価格が急騰した2017年や2018年に出版されたものばかりで、2020年以降のものは数点しかなかった。

暗号資産のメジャー通貨であるビットコインの価格は、2017年に急騰を開始し、その年の12月には1ビットコイン(BTC)=230万円を突破した。暗号資産で資産1億円を達成した、いわゆる“億り人”(おくりびと)が話題になった時期である。それもそのはず、ビットコイン価格が初めて提示されたのは2009年10月で、1BTCは0.07円だったと言われている。

株式など王道の金融商品に投資する大口の投資家たちが、得体の知れないビットコインへの投資を敬遠する一方で、日本の若者たちが少額で投資していった。そんな彼らが2017年に続々と“億り人”の仲間入りを果たしたのである。

その後、ビットコイン価格は新型コロナウイルスのパンデミックなどにより、2020年3月には1BTC=30万円台まで売り叩かれた。しかし、そこから切り返し、2021年6月には600万円台を突破、現在も500万円台を推移している。

昨今では、世界の大手企業がビットコインでの運用を開始し、さらに暗号資産に関する新たな金融商品も誕生するなど、ビットコインをはじめとする暗号資産を取り巻く環境は様変わりしていると言っていい。そういった意味でも、9月に発売するムックはぜひ、手に取っていただきたい。では、取材で印象に残ったことを少しだけご紹介しよう。