米暗号資産(仮想通貨)投資企業Grayscale(グレースケール)が、同社が提供するビットコイン信託「グレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)」を、ビットコインETF(上場投資信託)に変更するための申請を提出する予定であることが判明した。15日、CNBCが関係筋の話として報じた。

米グレースケール、ビットコイン信託を現物ETFに変更か
(画像=月刊暗号資産)

報道によると、米証券取引委員会(SEC)が他社の先物ベースのビットコインETFを許可し次第、申請書を提出するとのこと。15日にはProSharesのビットコイン先物ETFが承認されたため、早ければ今週中にも変更の申請がされるものとみられる。申請された場合は、75日間の審査期間に入る。

先日、米国で初めてビットコイン先物ETFが承認されたが、このETFはシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で取引されている先物取引に連動したものであり、現物のビットコインに連動したものではない。

SECのゲンスラー委員長は今年8月、先物取引をベースにしたビットコインETFについては支持を表明したが、現物のETFについては態度を明確にしていない。その点を踏まえると、ビットコインの現物ETFの承認については、先行きが不透明な状況であると言える。

一方で、グレースケールのGBTCは現物のビットコインを担保とする投資商品だ。運用規模は約65万BTC(約4兆6,500億円相当)とされており、世界最大規模を誇っている。

グレースケールは今年4月にGBTCをETFへ変更する方針を打ち出していた。同社は2017年にもビットコインETFを申請したが、SECが難色を示したこともあり取り下げたことがある。

最大規模のビットコイン投信を運用するグレースケールの申請が承認され、現物をベースにしたビットコインETFが誕生すれば、ビットコインの資産クラスはさらに向上すると言えるだろう。また、ビットコイン価格に何らかの影響が見られることも考えられる。

なお、一部の専門家は現物ETFへの変更がすぐに承認される可能性は低いと予測している。当然のことながら、却下される可能性があることも留意すべきだろう。(提供:月刊暗号資産