29歳にして115億ドル(約1兆2,500億円)もの資産を保有するSam Bankman-Fried氏(サム・バンクマン=フリード)氏が率いる暗号資産(仮想通貨)取引所FTXが、4億2069万ドル(約480億円)の資金調達に成功した。21日、同取引所が発表した。
調達には69社の投資家が参画し、資産運用世界大手のBlackRock(ブラックロック)も加わった。FTXの発表によれば「シリーズB-1」となる今回の資金調達で、FTXの会社評価額は250億ドル(約2兆8,500億円)。同社は7月に9億ドルの資金調達を実施したが、当時の評価額は180億ドルだった。FTXは、同社のユーザー数がここ3ヶ月間で48%増え、取引量も75%増加し、平均取引量は140億ドル(約1兆6,000億円)に達すると説明している。
FTXはトレーダーによって、トレーダーのために作られた暗号資産取引所として知られ、デリバティブ、オプション、ボラティリティ商品、トークン化された株式、予測市場、レバレッジド・トークンなど革新的な商品を次々と手掛けている。
海外市場をメインに暗号資産デリバティブの取引サービスを手掛ける企業として認識されていたFTXは、事業展開する国・地域とユーザー数を瞬く間に増やしてきた。暗号資産以外にも、現在はNFT事業に力を注いでいる。
CEOのSam Bankman氏は「2年前により良い金融市場を作るためFTXを設立した。世界で最も透明性が高く、コンプライアンスに優れた暗号資産取引所として位置づけることを優先する投資家たちと提携することができた」と述べた。
また、FTXは米メジャーリーグ(MLB)とのパートナーシップを結び、宣伝広告に資金を投入してきた。メジャーリーグの試合では、審判の着用するユニフォームに同社のロゴが取り付けられ、テレビなどでも確認することができる。米プロバスケットボール(NBA)のマイアミ・ヒートのホームスタジアムの命名権を所得し、2021-2022年シーズンでは「FTXアリーナ」という名前に改称した。
また、Sam Bankmanは医療分野や動物福祉などの分野で寄付活動を行っており、2月にはFTXの収益の1%を注ぐ非営利団体「FTX基金」を設立、活動している。さらにバイデン大統領のスーパーPACに500万ドル寄付した。
同氏は今年のフォーブスの「アンダー30」で最も裕福なメンバーとしても選ばれている。(提供:月刊暗号資産)