NFTマーケットプレイス・Metacask(メタカスク)に出品されていた高級ウイスキー「ザ・マッカラン」の1991年物のNFTが、230万ドル(約2億6,100万円)で落札されたことがわかった。Metacaskによると、今回の落札価格はウイスキーのオークションとして史上最高値になるという。

ウイスキー樽のNFTが約2億6,000万円で落札 オークション史上最高値に
(画像=月刊暗号資産)

今回出品された「A MACALLAN 1991 CASK, THE ANGEL’S SHARE」では、ウイスキー樽の他にデジタルアーティストのTrevor Jones氏によるアートワークが付属する。落札したのはoldcaskと名乗る匿名の人物だ。

今回の事例では、落札者にアートワークが付属するという特典があるが、ザ・マッカランの所有権を表すためにNFTが用いられたという点が特徴的だ。

NFTはアートやアイテムの所有権を表すものではあるが、これまで現実世界で現存する物よりも、デジタル上に存在する物がNFTとして取引されてきた。しかし、今回のように実物のウイスキー樽の所有権をデジタル上で取引できるようになるというのは画期的な取り組みであると言える。

Metacaskの共同創業者であるNim Siriwardana氏は、「(オークションは)デジタルで権利を譲渡できる魅力を伝えるものだ」とコメント。さらに、「バイヤーはウイスキーなどの希少価値のある現物資産を手に入れるために、わざわざオークションハウスに行く必要はない」と述べ、今回のような取り組みの重要性を強調した。

Metacaskはウイスキー樽のNFTの発行および流通に特化したNFTマーケットプレイスだ。スイス・ツーク州を拠点とするCaskStore AGによって運営されている。

NFTに関する取り組みは世界的に拡大しており、先日には大手暗号資産(仮想通貨)取引所Coinbase(コインベース)もNFTマーケットプレイスを発表するなど、日々競争が激化している。

国内においてもコインチェックやLINE BITMAXなどをはじめとした暗号資産取引所がNFTマーケットプレイスをローンチしたほか、楽天やSBIなど国内屈指の大企業が参入を表明している。(提供:月刊暗号資産