大和証券グループ本社とクレディセゾンの合弁会社である、Fintertechは暗号資産(仮想通貨)を担保とする新ローンの提供を開始する。

大和証券傘下Fintertech、個人向けに暗号資産を担保にした「デジタルアセット担保ローン」提供開始
(画像=月刊暗号資産)

この商品は暗号資産を利確する必要なく日本円を調達でき、さらに返済期日までは月々の元本返済、利息を払う必要がない。同商品の提供は今まで法人、個人事業者に限定されていたが、個人向けにも拡大する。個人向けローンについては、最低融資額を法人枠の1,000万円から200万円に引き下げる。一方、金利の方は引き上げず、4.0%から8.0%で提供される。

担保対象の暗号資産はビットコイン(BTC)。保証人は不要で、契約期間は1年間だ。なお、所持するビットコインの価格の50%(最大5億円)が上限となる。他に借入額は、年収の3分の1までの上限が定められている。使途に関しては原則自由だ。

個人の暗号資産保有者が抱える最大の課題としては、最大税率55%(住民税含む)になる税制が挙げられる。そのため、簡単に利益確定させる動きは少ない。また、利益を確定させ、現金化させないことから、暗号資産に投資を行った恩恵を実感することが難しいと言える。

これらの背景から、暗号資産を売却することなく、現金を調達する手段を得ることができるというのは、暗号資産の用途および需要の拡大に大きくつながることだろう。これに加え、中長期的に暗号資産へ投資を行う動機にもなる。

暗号資産を所持し、まだ利確のタイミングではない時などに、突然現金が必要になる時がある。このような場面で、現金を工面することができるのがこのサービスだ。所持する暗号資産(今回はBTC)が値上がりすれば、その利益を享受することも可能だ。

現在、暗号資産を担保にした金銭貸借サービスは少しずつ登場しはじめている。(提供:月刊暗号資産