11月に入りアルトコイン市場は好調さを増している。特にイーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、ポルガドット(DOT)は過去最高値を日々更新中だ。一方で、ETFの認可を受け最高値を記録したビットコイン(BTC)は一服感がありやや陰りが見られる。

イーサリアム筆頭にソラナやポルカドットなどが過去最高値更新
(画像=月刊暗号資産)

暗号資産(仮想通貨)市場全体の時価総額に占める割合(ドミナンス)は、ビットコインが10月に47.7%近くまで上昇した後、月末にかけ44.1%まで下げた。

暗号資産市場への関心は、次世代ブロックチェーンの候補が群集するアルトコイン市場へと変化している。過去のパターンを見れば、ビットコイン市場が過熱した後はアルトコイン市場が過熱するという循環現象が見られる。今回もそのパターンに見合った動きであると言えるだろう。

さらに今回は「メタバース」の影響が加わった。Facebookが社名を「Meta」へ変更すると発表して以降、メタバース関連のアルトコインへの資金流入が目立っている。

ここにきて上昇が顕著なのはソラナ(SOL)だ。イーサリアム・キラーとも呼ばれているソラナは3日に247ドル(約2万8,000円)を記録し史上最高値を更新。時価総額も4位に上がった。

暗号資産主要銘柄の1年間の暴騰率を比較してみると、ビットコインが+363.9%、イーサリアムが+1107.3%に対して、ソラナは+15839.6%と、圧倒的な高騰を見せている。

急上昇の原因はやはりNFTの存在だろう。ソラナのトランザクション処理能力は他を圧倒している。1秒間あたりで処理できるトランザクションは、ビットコインが約7件、イーサリアムが約15件に対し、ソラナは約5万件である。ソラナであれば、イーサリアムの3000倍の処理が可能ということになる。さらにトランザクション手数料もビットコインやイーサリアムの比較にならないほど安価である。

さらに2020年に登場したポルカドットも成長著しい。ブロックチェーンの相互運用機能を提供するこのポルカドットに対し、大手暗号資産取引所Binance(バイナンス)が1000万ドル(約14億円)規模のファンドを設立したことでも注目を集めた。

FRB(米連邦準備制度)は日本時間11月4日未明、今月からテーパリングを開始すると発表。しかし、パウエル議長は「月150億ドル(約1兆7,100億円)縮小。利上げは別」と弱めで緩やかな発言にとどめた。

予想を超える範疇ではなかったため、株式市場は現状維持と変わらないと判断し、ダウ先物は上昇。暗号資産市場でも発表と同時に急激な下落が一時観測される取引所もあったがすぐに回復した。

今後、米国ではしばらく大企業の決算が続く。いずれも好決算が期待されているために、その影響は暗号資産市場にも及ぶと見られている。当面は暗号資産業界に資金の流入が続くと予測されている。(提供:月刊暗号資産