SUBARUがSUVタイプの新世代電気自動車「ソルテラ」のプロトタイプを発表。BEV専用プラットフォームに新開発のEVシステムを採用し、航続距離は最大530km前後を実現
SUBARUは2021年11月11日、グローバルで展開する新型電気自動車(BEV=Battery Electric Vehicle)の「ソルテラ(SOLTERRA)」を発表した。導入開始は2022年年央を予定している。
ソルテラはトヨタ自動車と共同開発したEV専用プラットフォーム「e-SUBARU GLOBAL PLATFORM」を採用し、Cセグメントクラスの電気自動車SUVに仕立てる。パワーユニットはFWD車が最大出力150kWのフロントモーターと総電力量71.4kWhのリチウムイオン電池、AWD車が最大出力80kWのフロントモーターと最大出力80kWのリアモーター、総電力量71.4kWhのリチウムイオン電池で構成し、これをシンメトリカルにレイアウト。一充電走行距離(WLTCモード)はFWD車で530km前後、AWD車で460km前後を確保する。充電に関しては普通充電のほか、DC急速充電にも対応。バッテリー自体は10年後も十分な電池容量を維持できるよう、内部構造の改良を図った。
アクセル操作への出力をコントロールするドライブモードには、ECO/NORMAL/POWERの3モードを設定。ステアリングに配したパドルで回生ブレーキの強さも制御可能で、意のままに操れるSUBARUの走りの愉しさが満喫できる。また、AWD車にはSUBARUの独自技術であるX-MODEを採用。合わせて、X-MODEの新たな機能としてGrip-Controlを組み込んで、走破性をいっそう向上させた。車体下部に大容量バッテリーを搭載し、そのバッテリーを骨格の一部としても活用することで、低い重心高と高いボディ強度・剛性を成し遂げたことも、車体構成上の特徴。同時に、ボディ自体は軽量を果たしながら各部位の材料強度を最適化して、衝突安全性を高めるとともに高電圧の電気部品をしっかり守る構造とする。一方、懸架機構には前ストラット式コイルスプリング/後ダブルウィッシュボーン式コイルスプリングを採用。基本コンポーネントを共用するトヨタbZ4Xと同形式だが、セッティングにはSUBARU独自のアレンジを施した。
エクステリアに関しては、シームレスな造形のヘキサゴングリルでBEVらしいエネルギー効率の良さを表現。また、そのグリルから始まる水平軸が通ったボディ、そして内側から張り出したダイナミックなフェンダーによって、SUVらしい力強さと存在感を演出する。ルーフ部はノーマルタイプとソーラールーフ仕様、ガラスルーフ仕様を設定。シューズはFWD車が18インチホイール+235/60R18タイヤを、AWD車が前18インチホイール+235/60R18タイヤ/後20インチホイール+235/50R20タイヤを装着する。ボディサイズは全長4690×全幅1860×全高1650mm/ホイールベース2850mmに設定した。
インテリアについては、高さを抑えたインパネ造形と、ステアリングホイールの上から見るインパネ上部に配置したSUBARU初採用のトップマウントメーターによって、開放的な室内空間を演出。また、BEV専用プラットフォームの採用や薄型大容量電池パックの床下・平置き配置などによって、CセグメントSUVクラスでトップレベルのタンデムディスタンスと足もとスペースを実現する。合わせて、少ない電力で素早く温まるシートヒーターやステアリングヒーターに加え、消費電力の少ないヒートポンプ方式のエアコンを設定。さらに、SUBARUユーザーが違和感なく使えるよう、各種ブザー音やウィンカーの作動音などは他のスバル車と同じ音を導入した。センターコンソールなどの収納スペースも充実。ラゲッジはゴルフバッグで4個、大型スーツケースで3個を積載できる容量を確保している。
なお、車名のソルテラはラテン語で「太陽」を意味する「SOL(ソル)」と、「大地」を意味する「TERRA(テラ)」を組み合わせた造語。SUBARUは「優れた操縦安定性や高い走破性を誇るAWD性能を備え、行く先を選ばない“安心と愉しさ”を提供するSUBARUらしいSUVという特長を持つこのクルマで、ユーザーとともに自然をもっと愉しみ、自然との共生をよりいっそう深めていきたい」という想いから命名したとコメントしている。
(提供:CAR and DRIVER)