暗号資産(仮想通貨)取引所FTXは6日、不動産事業を手掛けるINHOUSE COMMERCIALと提携し、産業用不動産物件を暗号資産で購入できるようにするサービスを発表した。

FTX、暗号資産での不動産購入サービスを開始
(画像=月刊暗号資産)

購入注文を行うとFTXが暗号資産を受け取り、米ドルに転換して販売者の口座に入金する。価格変動を抑えるため、転換は即時に行われるという。

最初に購入対象となるのは、フロリダ州マイアミ市内の2つの物件。

1つ目は、960アルトン・ロードの一等地の角に位置する31,350平方フィートの敷地を誇る2階建てのプレミアムオフィスビルである。オフィススペースには、大きな映画館も完備している。

マイアミビーチでは最近、オフィスビルの高さ制限を60フィートから75フィートに引き上げる条例が可決されたばかりで、この物件は再開発の大きな可能性を秘めているという。

2つ目は1000 17th Streetにある物件で、リンカーンロードの北側、新しく改装されたマイアミビーチ・コンベンションセンターの西側に位置する18,000平方フィートの3階建て商業施設である。

世界的に有名な建築事務所である「Arquitectonica」によって設計されたこの建物は17番街に面しており、床から天井までの大きな窓や、丁寧に設計された屋外テラススペースなど、充実した施設となっている。

INHOUSE COMMERCIALのJared Robins氏は、「ハイテク企業や暗号資産企業が南フロリダに進出してきているなか、FTXと提携できることを嬉しく思う。 FTXとの提携が、今後より多くのテック企業がこの町で商業資産を購入し、本社を構えるきっかけになることを楽しみにしている」とコメントしている。

マイアミ州は暗号資産先進都市の1つだ。

2021年1月、 Suarez市長は市の財務資産の一部としてビットコインを組み入れる構想を公表。6月には、ビットコイン関連のカンファレンス「Bitcoin 2021」を主催し、8月には、都市コインプロジェクトの第一弾として「マイアミコイン」とのコラボを開始すると発表した。同プロジェクトでの収益は市民に分配される仕組みだという。

また11月には、市長自身が給与をビットコインで受け取ると公表。米国の政治家としては初の試みとなった。(提供:月刊暗号資産