暗号資産(仮想通貨)Filecoin(FIL)が、「Why Filecoin Layer2 An Important Infrastructure of Metaverse?」と題したレポートを発表した。

このレポートはメタバースの現状と課題について触れているほか、この領域においてFilecoinがどういった点で有効性を持つかまとめたものとなる。

「メタバースの発展にはWeb3.0が必要」=Filecoinレポート
(画像=月刊暗号資産)

メタバースとは、オンライン上に存在する「仮想空間」のことを指す。ユーザーは仮想空間で他のユーザーとリアルタイムで交流することができる点や、仮想空間上には独自の経済圏が存在する点が大きな特徴だ。

10月にはFacebookが社名を「Meta」に改名すると発表したこともあり、メタバースは非常に注目を集めつつある。

Filecoinは、メタバースが将来的には分散型のストレージを用いて、自立分散化されたDAO(分散型自律組織)やDAC(自律分散型企業)によって運営される必要があると述べる。

現状では、Amazonのクラウドサービスを活用した中央集権的なプロジェクトが多い傾向にあるが、徐々に分散型に変わっていくことが期待されていると指摘する。分散化されたネットワークに構築されたメタバースでは、ユーザーのコミュニティが経済圏を所有することになるのだ。

レポートによると、FacebookはWeb2.0を軸に構築されているが、それでは完全に分散型にはならないという点が課題となる。

メタバースはコミュニティに属しているのが理想とされている。そのメタバースを分散化させるには、さらに次世代のWeb3.0が必要になるという。そして、そのWeb3.0を実現するために、Filecoinの中間層であるSINSOが不可欠的なインフラストラクチャとなるという。

そして、コミュニティに所有されたネットワークを実現するにはデータの所有を自律分散的に認証する手段が不可欠だとレポートでは説明。そこで、Filecoinが有用であると語る。

さらに、Filecoinがローンチした「Filecoin Virtual Machine(FVM)」を活用すると、1つ上の階層にユーザーが独自のスマートコントラクトを展開できるようになるという。

ネットワークの輻輳(ふくそう)や、将来Filecoin FVMで発生する高額なガス料金などの一連の問題を軽減するために、SINSOがFlieocinの中間層インフラストラクチャとしてメタバースの構造を改善し、開発を加速する。様々なdAppsが豊富なサービスコンポーネントとツールを介してWeb2.0からWeb3.0に効率的に移行するのに役に立ち、アプリケーションの反復の核心を解決するとしている。

つまり、メタバースにおいてFilecoinを導入することで、データの認証が行えるだけでなく、メタバースをプログラム可能なものに進化させることができるという。

FVMを用いることで、NFTのプログラマビリティとインテグリティを大幅に向上させることができるほか、メタバースにおいて最も包括的なバックエンドインフラを構築することができるだろうと主張した。(提供:月刊暗号資産