ミャンマー民主派が設立した「挙国一致政府(NUG)」の計画・財務・投資省は11日、公用通貨として暗号資産(仮想通貨)テザー(USDT)を採用するとFacebookを通じて発表した。

ミャンマー
(画像=月刊暗号資産)

NUGは投獄されているアウンサンスーチー氏が率いる亡命政府。今年2月、ミン・アウン・フライン(Min Aung Hlaing)氏率いる軍のクーデターで政権を奪われた民主化派グループと国会議員の同盟だ。NUGは現在、国内で支配権は持っていないが、10月にフランス上院と欧州連合はNUGをミャンマーで唯一の正当な代表者、政府として正式に承認した経緯がある。

テザーは、ビットコインやイーサリアムのように日々価格が変動するものではなく、ドルの裏付けがある。安定したデジタル通貨として知られている。

NUGがテザーを採用するという動きは、現軍事政権による資金の差し押さえがきっかけであり、「プライバシーに関する懸念を払拭し、軍事政権による金融システムの支配を回避するための策である」と説明している。

NUGの出した声明によると、「軍事政権が中央銀行を支配している」と述べ、「現行の貿易、金融サービスを改善し、加速させるためにUSDTを採用する」としている。

地元メディアによると、過去数ヶ月に渡り、民主派が設立した軍事政権の弾圧から市民を守る「国民防衛隊=People Defence Force(PDF)」に寄付を送ったとして、多くの市民が逮捕されたという。さらに軍事政権は、金融面での完全支配のために、ミャンマー中央銀行に全てのデジタル通貨を違法と宣言させ、それに違反する者は懲役と罰金を科すと述べている。

NUGは9月以来、ドルに対してその価値の60%以上を失ったと伝えられるミャンマー通貨のチャットの代わりにテザーを使用することを奨励している。今後もドルに対しチャットの暴落が続くと予想されているからだ。なお、世界の国々は軍事政権を承認していない。

Bloombergによると、NUGがテザーを公式通貨として採用したのは、軍事政権を打倒するための資金調達の一環でもあるという。NUG発行の債券を販売し、10億ドル(約1,135億円)の資金調達を目指している。

ミャンマー・ディアスポラ(世界中に存在するミャンマー人)に提供する「春の革命特別債(Spring Revolution Special Treasury Bonds)」の発行を通じ、すでに950万ドル(約10億8,000万円)を調達しているようだ。現軍事政権はこれはテロ対策法に違反していると声明を出している。(提供:月刊暗号資産