LGTというプライベートバンクを知っているだろうか。同社は、リヒテンシュタイン公爵家のファミリーオフィスであり、公爵家が所有する世界最大規模のプライベートバンキングおよびアセットマネジメントグループだ。今では、世界20カ所以上の拠点に3,900人以上の従業員を擁する。
リヒテンシュタイン公爵家は、900年以上の伝統と起業家経験を有する、欧州屈指の名門一族だ。その当主は、オーストリアとスイスに挟まれた独立国家「リヒテンシュタイン公国」の国家元首の地位も代々承継している。度重なる経済危機や政治危機を乗り越え、何世代にもわたって富を守り、増やしてきた。LGTのプライベートバンキング部門を通じて、その世界中の富裕層の資産運用(資産管理)に貢献している。
そんなLGTが2021年11月、信託免許並びに投資助言登録を取得のうえ、日本の拠点となるLGTウェルスマネジメント信託株式会社を開設した。純金融資産10億円以上の超富裕層を顧客に想定し、信託契約に基づいたオーダーメイドのウェルス・マネジメント・ソリューションを提供するという。ZUU online読者でも関心の高い人は多いだろう。
LGTはプライベート・バンキングサービスにおいてどのようなフィロソフィー(哲学)を持っているのだろうか。LGTウェルスマネジメント信託株式会社の代表取締役会長、プライベートバンキングジャパンCEOに任命された永倉義孝氏に話を聞いた。
“真のプライベートバンク”を日本で作りたい
―― まずはこれまでのキャリアを簡単に教えてください。
大学卒業後、三和銀行に入行、その後はほとんど外資系金融機関に勤務していました。プライベートバンキングのビジネスには20年以上携わっています。そのため、最もお付き合いの長いお客様とは20年以上も関係が続いているということになります。LGTにジョインする前はクレディ・スイスで勤務していました。