NBAで6回の優勝を誇るシカゴ・ブルズの伝説的プレイヤーであるマイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏が、暗号資産(仮想通貨)とWeb3.0テクノロジーを用いて、アスリートやエンターテイナーとファンをつなぐアプリをローンチした。15日、米ビジネス誌。Fastcompanyなどが報じた。

ジョーダン
(画像=月刊暗号資産)

「HEIR」と呼ばれるこのプラットフォームはソラナ(Solana)を基盤として構築された。会員制の「ハドル(Huddle)」と呼ばれるファングループは、会員がハドルのメンバーシップNFTを購入してアクセスすることで様々な特典を受けることができる。

ハドルは人数が限られており、定員に達したハドルに新メンバーとして入るには、既存メンバーから購入するしかない。そのため、既存メンバーがメンバーシップを売却するのを待つことになる。つまり、アスリートの人気が高まれば高まるほど、その会員資格の価値も高まるシステムとなっている。アスリートはハドルメンバーシップやNFTの再販を含むプラットフォーム上の全ての取引において、一定の割合でインセンティブを取得することが可能だ。

HEIRは、ジョーダン氏と息子のジェフリー氏によって設立されたHeir Incが最初に手がけるサービスとなる。同社はナイキの元ブランドマネージャーであるジェロン・スミス(Jeron Smith)氏、NBA・ブルズのロンゾ・ボール(LonzoBall)選手、リミットレス・クリエイティブ創設者であるダニエル・ジョージ(Daniel George)氏、ソラナベンチャーズのアレクシス・オハニオン(Alexis Ohanian)氏らと連携を取ってビジネスを展開していくことになっている。

有名人に特化したコミュニケーションツール「Community」のように、HEIRはソーシャルメディアよりも直接的に交流できるツールとなっている。この新しいプラットフォームは小規模で熱心なファングループを中心に展開していく。

ジェフリー氏は今回、「アスリートへのアクセス需要や、若者がデジタルグッズに関心を持つ傾向は無視できなくなってきている。ファンはお気に入りのアスリートと社会的、金銭的につながる方法を常に探している。ブランドを完全に収益化し、ファンと本物の関係を育むための市場はまだ存在していなかった」と語る。

同氏は殿堂入りを果たした父親と、アスリートが自分自身のブランドをもっとコントロールできる方法について話し合ってきたという。今までは自分でファンベースを収益化することを考えた場合、第三者が間に入らなければならなかった。HEIRを使えば直接的にアスリートがファンとのコミュニティを育て、自分の人気に応じて利益を出ることができるようになる、こうした取り組みが今回のコンセプトになっているという。

ジョーダン氏は今年3月、「NBA Top Shot」を提供するDapper Labsの350億円におよぶ資金調達ラウンド、さらに11月に実施されたメタバース「Mythical Games」の170億円の資金調達ラウンドにも参加し話題になっていた。(提供:月刊暗号資産