運用資産25億ドル(約2,840億円)を超える世界最大級の自律分散組織(DAO=Decentralized Autonomous Organization)・BitDAOおよびMirana Ventures(ミラナ・ベンチャーズ)は16日、ハーバード大学、カリフォルニア大学バークレー校、マサチューセッツ大学、オックスフォード大学など世界で最も権威のある8大学の学生グループ・学部と提携し、「EduDAO」を立ち上げることを発表した。

教育
(画像=月刊暗号資産)

EduDAOは各大学のエコシステムをつなぐ自律分散型組織で、データ交換やコラボレーションを強化し、ブロックチェーンとWeb3.0の新世代イノベーターを育成することを目的としている。

EduDAO設立にあたり、BitDAOから3300万ドル(約37億円5,000万円)を基金として調達。EduDAOは独立した運営委員会として、プロジェクト助成金、研究、製品開発のために年間最大1100万ドル(約12億5,000万円)の資金を配分する。各大学の研究グループは割り当てられた予算を独自に管理し、学生や教職員に創造的な自由を提供する。これは卒業生が卒業後もプロジェクトに参加する動機付けにもなる。

資金提供の見返りとして、大学グループはBitDAOガバナンス投票に参加し、プロトコルの開発を決定するほか、BitDAO自体に定期的な寄付を提供する。また、ガバナンスや財務ツールの改善、さらにBitDAOエコシステムに利益をもたらすスタンドアロン製品の構築などによる貢献もこれらに含まれる。

BitDAOは今年6月、新たな自律分散型組織として設立された。暗号資産(仮想通貨)取引所Bybitなどを通じ、2億3000万ドル(約261億円)もの資金調達を行っている。PayPal創業者のPeter Thiel(ピーター・ティール)氏、ヘッジファンド運用などを行うAlan Howard(アラン・ハワード)氏、Jump Capital(ジャンプ・キャピタル)などといった世界的に著名な投資家・組織も参加している。

同組織は、経済的並びに人的資源を活用する。その研究開発を加速させるため、研究開発費、その人的支援を行い、技術課題の解決に関与していくという方針をとっていた。今回のプロジェクトはその一環だ。

ミラナ・ベンチャーズのマネージングパートナーであるJon Allen(ジョン・アレン)氏は「学生や教授、学部が切実に必要とされる研究開発費について悩まないようにアクセスできることで、スケールの大きな成長を期待できる。最初は8大学からスタートし、今後は数百校に広げていく」と述べている。

EduDAOのモデルは、大学の研究グループにより幅広い研究範囲を提供し、資金提供を通じてブロックチェーンの革新を可能にするだけでなく、世界中でコラボレーションと情報共有を促進する。研究成果は、BitDAOプロトコルを介して参加大学と一般市民の間で共有されるという。日本の大学でも、今後はこのような組織に参加するところが出てくるだろう。(提供:月刊暗号資産