米国を始め海外では24日からクリスマス休暇に入るためトレードそのものはすでに手仕舞いしているところが多い。その点は機関投資家が多く参入し始めている暗号資産(仮想通貨)市場も株式市場と状態が似ている。株式市場は正月明けまでほとんど横ばいの状態が続くが、暗号資産市場も同じ状態になることが予想される。
米証券取引委員会(SEC)は、Kryptoin、Valkyrieのビットコイン現物ETFを承認しなかったが、これによる売りも若干見られた。機関投資家においては、あらかじめ手仕舞いして現金化していたものと予想される。
過去のデータによれば、12月は元々暗号資産が買われるやすい傾向にある時期だ。その点を見ると、ビットコインの動きはしっかりと底固めしていることがうかがえる。5万ドル(約570万円)を回復するために必要であるサポートライン(4万6700ドル:約533万円付近)を形成しつつある。当面は大きな上昇はないものの、4万6000ドル(約525万円)から4万9000ドル(約560万円)までのレンジ幅を推移すると思われる。
アルトコインでは、リップル(XRP)が他の暗号資産と比べ大幅上昇を見せている。XRP Ledgerを活用したプロジェクト・ソロジェニック(Sologenic/SOLO)が実施を予定している「XRP保有者に対するSOLOエアドロップ(無料配布)プログラム」が要因のひとつとなっている。暗号資産取引所Binance(バイナンス)も21日に対応する方針を発表した。
SOLOのエアドロップ計画は10月時点で発表されていた。スナップショットは12月25日午前5時00分頃に実施される。その時点のXRP保有者の保有量に応じて配布されることになる。
ただし、10XRP未満の残高は対象にならないので注意が必要だ。
一方、バイナンスのアナウンスによれば、「他のコイン・トークンに行うのと同様の厳格な上場審査プロセスを経ることになるので、今回のエアドロップサポートはSOLOエアドロップの上場を保証するものではない」と説明している。そのため、スナップショット後のXRP価格の下落には十分注意が必要だ。
イーサリアムキラーの1つとされているテラ(LUNA)も大きく上昇した。前月比では117%ものプラスを記録している。テラ基盤のアルゴリズムステーブルコイン「TeraraUSD(UST)」の需要増も背景にあるだろう。
イーサリアム(ETH)のレイヤー2ソリューションであるポリゴン(MATIC)も上昇し、2.66ドル(約303円)の最高値を更新した。イーサリアムの使用増加による手数料の高騰が要因になっていると言われている。ポリゴンはサイドチェーンと呼ばれることが多く、開発者によればイーサリアムのライバルではなく、補完関係という立ち位置にあるという。
さらには、シバイヌコイン(SHIB)も10%ほど上昇している。大口保有者がポジションを追加したことが要因ではないかとされている。4兆SHIBを1億3400万ドル(約153億円)で購入したという。SHIB開発者は新サービスを導入し、ミームコインからの脱却を試みている。もし具体的な展開が見られれば、コミュニティ拡大、価格上昇に期待がかかるだろう。(提供:月刊暗号資産)