シンガポールを拠点に暗号資産(仮想通貨)取引所運営などを行うCrypto.com(クリプトドットコム)が22日、米国スポーツの最大イベントである「スーパーボウル2022」の広告枠を購入していたことがわかった。同日、Wall Street Journalが報じた。2022年2月に行われるスーパーボウルに同社のCMが流れるという。

Crypto.com、スーパーボウルの広告枠を購入と判明
(画像=月刊暗号資産)

スーパーボウルはNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の王座決定戦であり、米国で最も注目される米国のスポーツイベントだ。

Crypto.comのマーケティング最高責任者であるSteven Kalifowitz氏によると、同社による今回のスーパーボウルの広告戦略は「一過性のトレンドではなく、信頼を得ることが目的」であり、「様々なスポーツに我々が参加することで、アプローチできる人の枠が広がる。スーパーボウルはそのためのステップのひとつ」だという。また、同社CEOのKris Marszalek氏は「今後5年間で、Cryptoの名前が、Nikeや、Apple社のような消費者ブランドのトップ20に入ることを望んでいる」と語っている。

Crypto.comは先月、7億ドル(約800億円)を支払い、ロサンゼルスのステイプルズ・センターの命名権を20年契約した。名前を「Crypto.com Arena」と銘打つことを発表している。

7月には総合格闘技団体「UFC」とパートナーシップを結び、出場選手のユニフォーム、グローブにはCrypto.comのロゴが入ることになった。また、女子サッカーチーム「Angel City Football Club」のスポンサーにも就いている。さらに10月には、世界20ヶ国で放映されているCMに人気俳優のMatt Damon(マット・デイモン)氏を起用。このCMを使ったキャンペーンには1億ドル(約114万円)の予算が組まれている。

スーバーボウルの広告枠の販売を担当するComcast社傘下のNBC Universal社によると、2021年は最低価格が550万ドル(約6億2,800万円)で販売されていた30秒枠が、2022年度は最低価格650万ドル(約7億4,300万円)に上がっているという。

今や世界でも有数の暗号資産取引所となったFTXも、命名権や広告キャンペーンを積極的に取り組んでおり、今回のスーパーボウルの広告枠を獲得している。米国ではスポーツイベントに名前を出すことで一般的に認知度が増すというマーケティングが定番だ。今回の広告枠の購入は、Crypto.comが暗号資産業界でさらなる影響力を持つための重要なステップだと言える。

スーパーボウルの広告主として、他にも米国法人のネットショッピングプラットフォームの楽天、スポーツベッティング大手DraftKingsInc、アボガドの専門商社Avocados From Mexicoなどの名前が挙がっている。(提供:月刊暗号資産