ロンドンを拠点とし、世界4大会計事務所に名を連ねる、プライスウォーターハウスクーパース(PwC:PricewaterhouseCoopers)の香港支社は23日、メタバース「The Sandbox」の土地である「LAND」を購入したことを発表した。
PwC香港支社は、国際的に有名なプロフェッショナルサービスブランドとして初めてThe Sandboxに参入したことになる。
PwCは世界156ヵ国に拠点を持つ多国籍プロフェッショナル・サービス・ネットワークであり、デロイトトウシュトーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu)、KPMG、アーンスト・アンド・ヤング(Ernst & Young)と並び、世界4大会計事務所の一角を占める。会計監査、ディールアドバイザリー、ビジネスコンサルティング、税務、法務など総合的に手がけている。売上ベースにおいても、4大ファームのうち第1位とされている。
The Sandboxでは、ヒップホップのスヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)氏とコラボしたLANDが高額で取引されたほか、米ゲーム会社のアタリをはじめ、ナイキ(NIKE)、Meta(旧Facebook)などがLANDを購入し話題になっている。そうした事例があるなか、大手会計事務所が進出したのは珍しいと注目されている。なお、購入価格は発表されてはいない。
PwC香港のパートナーであるWilliam Gee氏は「我々の顧客を中心とするコミュニティと関わる新しい方法だ。メタバースを取り入れたいと考えているクライアントに対して、この新たなグローバル的デジタル化がもたらすあらゆる課題について、私たちの専門性を活かしてアドバイスしていきたい」と述べている。
PwCの今回の取り組みについて、The Sandboxは、「PwC香港のようなプロフェッショナルサービス企業は、メタバースの成長において貴重な役割を果たすことができる。」と述べている。具体的には、PwCが「Web3.0に馴染みが薄いブランドを支援できる。ビッグ4の会計事務所がこのイノベーションの最前線にいることになる」と見通しを述べた。
The SandboxのCOOであるSebastien Borget氏は「私たちはPwC香港を歓迎している。The Sandboxがブランドと顧客がつながる方法をいかに育むか体験してもらう。PwCは会計事務所として新たなフロンティアにいることになる」と述べた。
The Sandboxの基軸通貨であるSANDは、記事執筆時点で年初来約175倍もの上昇を見せている。PwC参入のニュースを受け、SANDの価格は14%上昇し6.01ドル(約687円)を付けた。また、メタバースゲームは11月第1週にソフトバンクのVision Fund 2が主導している資金調達ラウンドで9300万ドル(約106億円)の投資金を得ている。(提供:月刊暗号資産)