オンライン決済大手の米PayPal(ペイパル)が独自のステーブルコイン発行を検討していることがわかった。7日、Bloombergが報じた。

PayPal、独自ステーブルコインを開発中と判明
(画像=月刊暗号資産)

Bloombergによれば、iPhone版のPayPalアプリ内でステーブルコインに関係する痕跡が見つかったという。Bloombergが内容をPayPalに確認したところ、暗号資産(仮想通貨)・デジタル通貨担当の担当幹部が開発を認めたという。

PayPalのデジタル通貨担当シニアバイスプレジデントであるJose Fernandez da Pont氏はBloomberg宛ての資料内で、「当社はステーブルコインを模索している。ステーブルコインは、既存通貨や商品の価値によってその価値が裏付けられ、価格が決まる暗号資産だ。進める上では規制当局と緊密に協力していく」と説明した。

ライターのSteve Moser氏がPayPalのアプリで最初に発見し、Bloombergに情報を伝えた。隠されたコードと画像は「PayPalコイン」と呼ばれる通貨に関する取り組みを示している。コードは米ドルを裏付けとするステーブルコインを示唆しているようだ。

PayPalの広報担当者によると、PayPalアプリ内の画像とコードは、同社のブロックチェーン、暗号資産、デジタル通貨部門内の社内エンジニアがチームを組み、新製品を調査、構築する試作過程で露出したとのこと。ロゴ、名前、機能その他、正式公開する際には変わる可能性があるという。

PayPalはここ数ヶ月、暗号資産に関する大規模な取り組みを行っている。デジタルコインを購入、保有するための新機能や、暗号資産を利用した決済機能などを発表してきた。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)の4銘柄の売買サービス・オンライン決済に対応している。

昨年5月にも、PayPal独自のステーブルコイン発行の検討を報じられたことがある。当時はPayPalがAva Labsなど開発団体と協議をしている最中だった。

前出のFernandez氏は「決済を目的とした、ステーブルコインの開発は正式な段階ではない。公式発表する際には、ステーブルコインでの決済、そのサポート、高いセキュリティを保持する必要がある。このジャンルで必要とされる規制、枠組み、ライセンスなどの種類を明確にしなくてはならない」と語った。

独自のステーブルコインの発行や導入を検討する企業はPayPalが初めてではない。META(旧Facebook)も独自暗号資産「Diem」を開発中であり、Visaは最近、米ドルに裏付けされているUSDCによる取引決済を始めている。(提供:月刊暗号資産