杉のチカラがユニコーンで株式投資型クラウドファンディング(ECF)を利用して資金調達を行います。そのため評判や実績を投資家目線でまとめたいと思います。
面白案件のように感じましたが代表の髙橋則之氏の熱意が伝わる製品となっています。
特許取得による収益期待がある他、カーボンニュートラルやサステナブルなど環境を意識した事業にも注目できそうです。
同社の主力製品である「命の猫砂 杉にゃん」は杉のバイオパワー(フィトンチッド)を活かした特許製法となっています。
完全無添加オーガニック製品になり、猫の健康を意識した需要の高まりから期待されている企業のようです。世界的にオーガニック猫砂の需要が拡大しているため日本でもその流れが予想されています。
また杉の高齢化が進むとCO2吸収が低下するため、同社のビジネスはカーボンニュートラルの実現にも貢献します。
投資を行わなくても面白いビジネスとなっているため一度チェックしてみると楽しめそうです!
同社は2027年のIPO(新規上場承認)を目指しているそうなので事業内容を詳しく確認してみたいと思います。今期営業利益は黒字になる見込みとなっています!
目次
杉のチカラは何を解決できる企業なのか?猫砂と杉の木の関係
杉のチカラという社名を見ただけでは住宅建設に係る企業なのかも? と感じましたがまったく異なりました。また猫砂の需要が広がっていることも初めて知りました。
猫はこれまで飼ったことがなく勉強になるECF案件だと思います。猫や犬など人間と深くかかわる動物の需要も増えているため、世界的に猫砂の需要増が見込めそうです。
猫砂には有害物質が複数含まれており、猫によっては腎臓への障害や低色素性貧血、嗜眠性、筋力低下などへの影響が懸念されるそうです。
また有害物質を規制するルールがないため問題視されています。そこでオーガニック製品である猫砂の需要が高まっているようです。
ユニコーン公式によれば「H&I Global Research Co.」の調査で2020年から2030年予想で約5倍以上に成長する市場だそうです。
同社は日本市場だけでなく、グローバル市場で大きなシェアを獲得することを狙っているようです。
主力製品の内容をまとめた動画があったので共有したいと思います。
日本国内で杉の抱える問題として杉の高齢化が挙げられます。戦後の造林政策によって植林が進められ人工林が現在も多く残っています。
植え過ぎた杉の需要減少による価格下落や海外木材の輸入などにより、伐採が進まない現状があるようです。
また、林齢10年~20年の若杉に比べ林齢50~60年の高齢杉はCO2の吸収量が約40%減少するため、カーボンニュートラル実現に悪影響があるとされています。
伐採や間伐に合わせ計画的な植林を勧めないと良い循環ができないようですね。
同社のビジネスは杉の木を材料とした完全無添加の猫砂販売になります。これをベースとして将来的には猫の健康用品などにも進出するそうです。
同社ウェブサイトを確認すると杉を利用した製品が既に販売されていました。
企業概要を詳しく調べてみました
代表取締役の髙橋則之氏は佐川急便株式会社に16年間勤めたあと、2000年1月にイーライフ株式会社の代表取締役に就任しています。
2014年11月にはフリーランスとして杉素材ペット用品製造を開始し、2020年4月から杉のチカラ株式会社を設立し代表取締役に就任しています。
物流技術管理士と国際物流管理士の資格も有しているそうです。
項 目 | その内容 |
---|---|
会社名 | 杉のチカラ株式会社 |
本社住所 | 〒340-0217 埼玉県久喜市鷲宮652-5アオキビル201 |
代表者名 | 髙橋則之 |
設立年月日 | 43943 |
決算期 | 3月 |
事業内容 | ・ペット用品製造 ・販売事業 |
資本金 | 22,220,000円 |
発行済株式数 | 2,222株 |
主要株主 | ・髙橋則之(代表取締役)80.0% ・その他個人2名20.0% |
※2022年1月10日調べ
2020年4月設立のため若い企業になります。
主力製品の猫砂は既に販売され、猫の健康を守るオーガニック猫砂のリーディングカンパニーとして事業を行っていいます。
株式投資型クラウドファンディングで資金調達を行うことができれば、グローバルペット用品メーカーとして有名になることも考えられます。
杉のバイオパワーと猫砂を組合わせることでSDGsにも関係がある企業となっています。
猫の健康被害は昔からあり同社製品に変更した顧客の声は好評のようです。こちらはユニコーン公式サイトでご確認ください。
杉のチカラのビジネスモデルと特徴を考察!!
完全無添加オーガニック猫砂の「杉にゃん」は国内で自社製造し直接販売を行っています。自社ウェブサイトがあるためそこから購入する方法と主要ECサイトで購入できます。
ウェブサイトでレビューを確認してみると評判は良さそうです。現状は知名度の問題があると思います。また他社製品と比較した場合の製品コストなども興味があります。
調べると他社製品比較だとやや割高のようです。ただ製品によってはもっと高価な製品(商品)があることもわかりました。
また、AmazonやYahoo!ショッピング、楽天市場など主要ECサイトでも販売が行われていると調べてわかりました。
オーガニック猫砂市場での競合優位性では他社が真似できない特許技術を取得していることです。
オーガニック猫砂のパイオニアとして、国内では一定のブランド化ならびに信用の可視化(グーグル検索で上位を獲得)ができているようです。
同社の猫砂は他社製品と見た目は変わらないものの、杉のバイオパワーを活かした消臭効果や完全無添加のオーガニック製品のためリピーターからの評価が高いとあります。
飼い猫の体調がよくなったというレビューもあることから、化学物質を含んでいる猫砂は何らかの影響があるのかもしれません。
同社の猫砂(命の猫砂杉にゃん)は、自然乾燥おが粉に水一滴すら加えずに圧縮成形してあるそうです。
凝固剤や増粘剤などの接着成分が含まれていないため、排泄物が固まらないという特徴が現時点であるそうです。
しかし、最新のセルロースナノファイバー技術を応用して100%杉だけで固まる猫砂の開発を進め、実現の可能性がでてきているそうです。
また、自然乾燥で問題となる人手不足の問題では就労継続支援B型事業所との連携によるフランチャイズ展開を行います。
既にスタートしており今後は全国展開の計画があるそうです。
杉のチカラの業績と上場(IPO)を行う時期を確認してみました
投資家が気になるのは業績や上場時期だと思います。IPOを行うことを目標としている企業なので成長ストーリーを調べてみました。
ユニコーン公式によれば全世界で6億3,000万匹の猫が人と暮らしているとあります。そのぶん猫砂も必要になるため同社の知名度と共に売上拡大の期待があります。
温暖化や新型コロナウイルス感染症の影響もあり、環境や健康への意識が全世界で高まっています。猫市場でもオーガニック製品への意識が高まっているようです。
同社の目標としては、世界中の定期購入顧客とDtoCでつながり、自然環境と調和したビジネスを事業戦略としているようです。
将来的には猫のライフサポートなど「猫介護サービス事業」なども行うようです。
業績を確認すると2022年3月期の売上が4,000万円で営業利益が190万円となっています。赤字体質の企業ではなさそうです。
2026年3月期に売上12億円を達成し2027年の上場(IPO)を目指すとあります。
それと達成できるのかわかりませんが、KPI(重要業績評価指標)では1年後にオーガニック猫砂の月間売上を現在の10倍にする目標が立てられています。
月間売上200万円が1年後に2,000万円になるということですね。
猫の健康効果の科学的なエビデンス取得のため、東京農工大学との共同研究の準備が既に進められています。
また今後はウェブやSNSを利用した販売網や口コミ、クラウドファンディングなども行うようです。
最終的にはテレビCMやテレビショッピングまで行う拡販施策が考えられています。
ハードルが高いと感じますが、著名人が絡む宣伝活動やサポートなどがあれば一気に売上増となる期待もあると思います。動物好きの芸能人も多いですからね。
杉のチカラの株主優待とエンジェル税制適用について調べた結果
杉のチカラに出資を行った投資家全てに株主優待が付いてくるため内容を確認してみました。
株主優待の内容を調べると同社ウェブサイトで利用できるクーポン券となっています。株主優待の時期は毎年2月と8月の年間2回実施予定です。
優待内容は下記になります。
【優待内容】
・出資額 8万円に対し800円割引
・出資額16万円に対し1,600円割引
・出資額24万円に対し2,400円割引
・出資額32万円に対し3,200円割引
・出資額40万円に対し4,000円割引
・出資額48万円に対し4,800円割引
※有効期間は6ヶ月間で他のクーポンとの併用可能
さらに、今回のクラウドファンディング参加者には特典が用意されており、株数に関わらず「命の猫砂 杉にゃん」お試し三種セット(1kg/個×3個)が1セットプレゼントされます。
2022年2月末までに届くそうです。値段を調べると公式サイトで1,760円(税込)となっています。
某ECショップだと割高で販売しているお店もかなりあるようです。
エンジェル税制適用を調べると、エンジェル税制優遇措置A及びBの適用が予定されています。
エンジェル税制優遇措置Aは上記画像にも書いてあるように、対象企業への投資額から2,000円を引いた額をその年の総所得金額から控除できます。注意点としては控除対象となる投資額の条件が決められていることです。
エンジェル税制優遇措置Bは対象企業への投資額全額をその年の株式譲渡益から控除できます。こちらは控除対象となる投資額の上限がありません。
また、過去にユニコーンで実施された株式投資型クラウドファンディングを下記記事でご紹介しています。
・ディビイ(dbE)の記事へ
・SpotTour(スポットツアー)の記事へ
・オリーブ技研の記事へ
杉のチカラに投資を行っても問題がないのか?評判と実績まとめ
杉のチカラに投資を行いたい方を考えると動物好きな方だと思います。特に猫を飼っている投資家でしょう!
製品(商品)については問題なさそうですが、同社が思い描いた計画通りに進むのかやや心配な面もあります。
代表の髙橋則之氏の年齢は今現在57歳と言うことで、熱意や若さなども感じられると思います。杉のバイオパワーを最大に活かすモノづくりとサービスに期待したいと思います。
項 目 | その内容 |
---|---|
プロジェクト名 | 杉のバイオパワーを活かした『命の猫砂 杉にゃん』で猫の健康を守り、カーボンニュートラルの実現に貢献する「杉のチカラ」 |
目標募集額(株数) | 10,000,000円(125株) |
上限募集額(株数) | 30,000,000円(375株) |
募集価格 | 1株当たり80,000円 |
申込単位 | 1株 |
最低申込金額(株数) | 80,000円(1株) |
上限申込金額(株数) | 480,000円(6株) |
申込期間 | 2022年1月17日(月)~2022年1月20日(木) |
※2022年1月10日調べ
募集要項は上記のようになります。
発行済株式数が2,222株となっているため、1株80,000円からバリュエーションは約1.78億円になります。
手取金の使途は工場移転や拡張費用、新物件契約資金、広告宣伝費、研究開発費、運転資金となっています。
同社に投資を行いたい方は申込日から起算して3営業日目の23時59分までに入金が必要になります。入金が確認できない場合の申込は失効となります。
また朗報になりますが、杉のチカラはユニコーン主催のビジネスコンテストでファイナリストに選ばれた企業です。このあたりも評価材料になりそうです!!
社会課題解決に挑む企業となっているため応援したいと考える投資家も多そうですね。