米暗号資産(仮想通貨)取引所Geminiは13日、デジタル資産ポートフォリオ管理プラットフォームサービスを提供するBITRIAを買収すると発表した。
米サンフランシスコ拠点のBITRIAは、富裕層および資産運用管理会社や資産運用アドバイザー向けに暗号資産などのデジタル資産ポートフォリオ管理プラットフォームを提供している。Geminiは自社の暗号資産取引やカストディ機能とBITRIAの持つ技術とサービスを統合させることで、資産運用アドバイザーがクライアントの暗号資産などデジタル資産ポートフォリオ管理を1つのインターフェイスで行えるようにする。
今回の買収で、BITRIAのデジタル資産分離管理口座(SMA)とデジタル・ターンキー資産管理プラットフォーム(DTAMP)はGeminiのプラットフォームに統合される。Geminiで利用可能な70種類以上の暗号資産へのアクセスに加え、以下の機能が利用可能になる。
- SMAの構築とメンテナンス
- ポートフォリオのリバランス
- タックス・ロス・ハーベスティング
- 手数料の請求と徴収
- アカウントプランニング
- データコネクティビティ
Geminiの事業開発担当責任者のDave Abner氏は「資産運用会社が暗号資産への投資の全般を統制、管理するというのが顧客の需要として高まっていた。それに応えるため、初のエンドツーエンド技術プラットフォームを立ち上げることができる。ウェルスマネジメント(個人保有資産の総合管理サービス)のための完全なエコシステムができる」と述べた。
BITRIAの共同創設者兼CEOのダニエル・エア氏は「富裕層の資産管理の未来はデジタル資産とブロックチェーン技術にある。BITRIAとGeminiの統合はその分野の未来の架け橋になる」と語っている。
2021年6月、Financial Planning AssociationとJournal of Financial Planningの調査によれば、49%のアドバイザーが過去6ヶ月間にクライアントから暗号資産について問われたと回答した。20年の17%から倍以上に増えていることがわかる。
この数字から、米国の運用資産残高20兆ドル(約2,275兆円)のうち、数百億ドル分がデジタル資産へと移行する可能性があると推測される。これに伴い、暗号資産を含めた資産アドバイザーを求める富裕層はより多くなり、資産アドバイザーは現在より便利で統括管理のできるプラットフォームが必要となると見通しだ。
昨年12月にはトロントを拠点とするデジタル資産投資マネージャーの3iQ、Gemini、BITRIAの3社合同で富裕層の顧客向けに暗号資産の運用サービスを開始していた。(提供:月刊暗号資産)