NFTブームでグローバル市場を牽引してきたNFTマーケットプレイス・OpenSeaが4日、新たな資金調達ラウンドで3億ドル(約374億円)の資金調達を行ったと発表した。今回の資金調達により、Open Seaの企業評価額は133億ドル(約1兆5,400億円)に達した。調達した資金は「製品開発の加速、カスタマーサポートと顧客安全の大幅な改善、NFTとWeb3.0コミュニティへの投資、チームの成長」に用いるとのこと。
OpenSeaは2021年のNFTブームを受け急成長した。過去30日間の取引量は24億ドル(約2,780億円)を超え、2021年1年間で約2兆7,000億円の出来高を記録。手数料収入は数億ドルを超えた。
デビン・フィンザー(Devin Finzer)CEOによると、同プラットフォームでの取引量は600倍以上にまで増加したという。会社の評価額は2021年当初の15億ドル(約1,741億円)から約9倍になった。
今年に入り、メタ社(元Facebook)の元コマース担当副社長のシバ・ラジャラマン(Shiva Rajaraman)氏を招き入れた。シバ氏はメタ社入社前、Youtube、Spotify、WeWorkに在籍していた。アナウンスでは、シバ氏の加入で「創造性と参加に報いる新しいWebサービスを構築できる」と述べている。
今回の資金調達を受け、NFTのエコシステム拡大、NFT開発者、ビルダー、クリエイターを直接支援する機会を提供するため、助成金プログラムを開始するという。クリエイターの知名度を上げ、NFT空間を形成する人々に積極的に投資を行っていくという。
OpenSeaは、「私たちはまだスタート地点に立ったばかりだ。チームの規模を迅速に拡大する必要がある。新しいオープンなデジタル経済圏を構築することに意欲的な人を募集していく」と述べている。現在はサイトの向上、信頼、安全性を拡大するために人員を60人以上拡大しているが、2022年の終わりまでに倍以上に増やすという。
また、米メディアAxiosによれば、獲得した資金で暗号資産(仮想通貨)ウォレット企業Dharma Labsの買収について調整しているとのこと。Dharmaは銀行口座と取引所の間でシームレスにドルを移動できるイーサリアムウォレットとして有名だ。株式譲渡の買収で150億円の案件になるとされている。(提供:月刊暗号資産)