米メタ(Meta:旧Facebook)傘下のディエム(Diem)が手がけていた「Diem Payment Network」に関わる知的財産権(IP)などが、米Silvergate Capital社に売却された。1月31日、米Silvergate Capital社が発表した。

この売却より、メタが主導する独自暗号資産発行プロジェクトにピリオドが打たれたことになる。

米メタ(旧Facebook)、ディエムの知的財産権を売却 プロジェクト解体へ
(画像=月刊暗号資産)

Silvergate Capital社は最先端の金融インフラソリューションを手がけ、暗号資産(仮想通貨)銀行の運営などを行っている企業だ。

同社が買い取ったのは、ブロックチェーンを基盤とする商取引、国際決済ネットワークの開発や展開、運営のインフラやツールなどといった資産だと発表されている。また、規制を遵守したステーブルコインネットワークを運営するのに欠かせないソフトウェアなども買収したという。

Silvergate Capital社は発表内で、ディエムが過去2年に渡って手がけた決済ネットワークは「セキュリティ、信頼性、スケーラビリティにおいて構造上の品質が裏付けられている」と評価。さらに、同社はDiemとの密接なパートナーシップを通して、ゆくゆくは自社発行のステーブルコインをローンチすることにも期待を寄せているという。

同社のCEOを務めるAlan Lane氏は、次のようにコメントを残している。

「暗号資産業界では、いつでも資金が世界中を行き来している。顧客との対話を通して、我々は彼らが障壁なく資金を移動させるためには米ドルに裏付けられたステーブルコインの必要性を確認している。そのニーズを満たすために、今回買収した資産や既存の技術を活用して2021年の第四四半期の決算説明会で発表したように2022年内にステーブルコインをローンチする計画だ」

一方、ディエムは発表で、「米国政府のステーブルコインに関するレポートではディエムのデザインに良い評価が集まった一方で、連邦規制官との対話の中でプロジェクトは打ち切らなければならないことが明らかになった」として、売却に至った理由が語られた。

また、ディエム協会および関連子会社は今後数週間にかけて規模を縮小していくという。今回の売却については、先月Bloombergが報じていた。

ディエムは2019年6月、当時のFacebookがLibra(リブラ)として立ち上げたプロジェクトだ。当初は複数の法定通貨に裏付けられたバスケット型の独自暗号資産プロジェクトであったが、規制当局からの反発を招き軌道修正を迫られた。

その後ディエムへと姿を変えたものの、進捗は芳しくなく、今回の売却へとつながった。(提供:月刊暗号資産