ドイツ・フランクフルトを拠点とするデジタル通貨専門シンクタンク・デジタルユーロ協会(Digital Euro Association:DEA)は11日、米リップル社と提携したと発表した。今後、両者はCBDC(中央銀行デジタル通貨)に関する研究・開発を共同で行う。
DEAのJonas Gross(ジョナス・グロス)会長はプレスリリースで、今回の提携はデジタル通貨に関する知識の交換や共同啓発活動が主な内容になると説明。同氏はリップルが「DEAコミュニティの技術的専門知識を拡張する」ことを支援すると述べた上で、CBDCや政府のステーブルコインプロジェクトの研究が進むにつれて、技術設計に関する助言がますます必要になることを指摘している。
リップルの中央銀行エンゲージメント担当副社長であるJames Wallis(ジェームズ・ウォリス)氏は、同社が「CBDCの世界に多額を投じてきた」と述べ、世界各国で40人規模のメンバーがCBDCに取り組んでいると語った。
同氏は、このパートナーシップが「CBDC分野における(リップル社の)仕事をさらに発展させるだろう」とコメントしている。
リップルは昨年9月にもブータンの中央銀行と共同でCBDCの試験導入を発表しているほか、同年11月にはパラオ共和国と提携し、独自デジタル通貨の開発・戦略策定を行なっていくと発表している。
現在、世界各国でCBDCの導入に向けた動きが加速している。EUにおいても例外ではなく、欧州中央銀行(ECB)が中心となり「デジタルユーロ」の発行に向けた準備が進められているほか、EU圏の各国においても独自に進められている。
なお、今回のDEAとリップルの提携による取り組みは直接このデジタルユーロの開発に関わるものではない。しかし、研究の成果次第では何らかの形でデジタルユーロ開発に関わる可能性もあるだろう。
リップルによれば、世界の8割以上もの中央銀行がCBDCの導入を模索している最中だという。そのような状況で、リップルが持つソリューションが多くの課題を克服すると説明している。(提供:月刊暗号資産)