楽天グループ株式会社のNFTマーケットプレイス「Rakuten NFT」は9日、テレビ朝日とNFT(非代替性トークン)コンテンツの販売に向けて合意したと発表した。
「Rakuten NFT」はスポーツや音楽、アニメを主とするエンターテイメントなどのNFTをユーザーが売買できるマーケットプレイスとして機能するほか、IP(知的財産権)ホルダーがワンストップでNFTの発行、販売サイトの構築が可能なオリジナル販売プラットフォームを併せ持つサービスとして、今月25日にスタートする予定だ。なお、「Rakuten NFT」では決済に楽天IDを使用でき、楽天ポイントも貯まる。また楽天ポイント使うことも可能だという。
テレビ朝日は今度、同マーケットプレイスで、これまで制作してきた多くのアーカイブ映像や、今後、制作する番組・イベントの中から価値のある貴重な映像をNFT化して販売する予定だという。スポーツの名プレー、バラエティ番組の名シーンなどの映像をはじめ、様々なNFTコンテンツを販売していく。
テレビ朝日はすでにLINEやメディアドゥが運営するNFTプラットフォームを利用しており、楽天の基盤を使うことでNFT事業のさらなる拡大を見据える。
昨年11月、東映と提携し、共同で「超電磁ロボ コン・バトラーV」など東映ロボットアニメをデジタルトレーディングカード形式のNFTとして販売した。また、年末のバラエティ番組では、アニメーターと人気芸人がショートアニメを作成し、そのアニメ動画をNFTにして販売し好評を得た。
テレビ朝日グループは現在、NFTとメタバースを活用した事業開発を積極的に行っている。昨年11月には国内暗号資産(仮想通貨)取引所コインチェックとNFT事業において、NFT発行および流通の連携を開始したと発表している。今後の展開としては、世界最大のNFT取引量を誇るOpenSeaへの進出も検討しているという。
Z世代と呼ばれる世代は、テレビよりもむしろインターネットの方に重きを置くが、テレビ業界ではその世代に合わせたコンテンツ制作と販売が今後の課題となっている。米国などではすでにCNNが昨年6月にNFT事業に参入しており、報道番組や記事コンテンツを基盤にNFTコレクションを販売開始した。(提供:月刊暗号資産)