米ゲーム販売会社大手ゲームストップ(GameStop:GME)は3日、Immutable Xと提携し、今年後半にNFTのマーケットプレイスを立ち上げると発表した。同時に、最大1億ドル(約115億円)のファンドを創設する。このファンドを通して、Web3.0のゲーム開発者やクリエイターに助成金を提供していく。

米ゲームストップ、NFTマーケットプレイスを立ち上げへ 1億ドルファンド創設
(画像=月刊暗号資産)

ゲームストップは、世界10ヶ国で4000店舗以上を展開するゲームソフトウェア小売り大手である。昨年初めに米掲示板サービス・Redditの株取引コミュニティ「r/WallStreetBets(WSB)」による集中投資などで株価が暴騰し話題となった。

Immutable XはオーストラリアのImmutableが開発するイーサリアムのNFT(非代替性トークン)に特化したレイヤー2ネットワークである。Immutable Xは、最大秒間9000トランザクションを処理が可能だ。また、レイヤー2ネットワークのため、メインネットであるイーサリアムネットワーク上での処理を削減することができ、今までかかっていたイーサリアムのガス代の大幅な削減が可能になる。

Immutable Xによって、GameStopNFTマーケットプレイスは、ゲーマーがゲーム内の資産(デジタル不動産、剣、スキンなど)を購入、販売、取引できる経済を開発するための重要な機会を開発者にもたらす。

ブロックチェーンゲームなどで、NFTの作成や取引には今まで大きなガス代が掛かることが問題であった。ガス代とはブロックチェーンを取引処理する際に必要な手数料だ。もし仮に5ドルのNFT商品を取引するために、50ドル、500ドルの取引手数料を支払わければならないとしたら、取引を敬遠する要因となってしまうだろう。

そこで、Immutable Xを利用することで高い手数料を支払うことなく、イーサリアムのNFTのエコシステムを利用できるようにするという。何十万もの取引を1つのイーサリアム取引にまとめ、ゲームストップがユーザーのデジタル資産をイーサリアム上で保護できるようにする。

NFTマーケットプレイスとして先行しているOpenSeaは昨年、企業評価が9倍の133億ドル(約1兆5,400億円)へと急成長した。現在も企業評価は上がり続けている。

ゲームストップの株価は昨年初めの暴騰後、低迷し続けている。1年が経ち、今回のNFTマーケットプレイス創設は本業に関連する新規事業で企業価値を高める試みであるだけに、大きな期待が寄せられるだろう。(提供:月刊暗号資産