国際送金サービス企業Trangloは1日、リップル社のODL(オンデマンド流動性)サービスによって、送金業者は事前資金調達をすることなく、即時にクロスボーダー決済を処理できるようになったと発表した。
今回の動きは、昨年9月に試験的に導入したODLが、最初の100日間で4,800万ドル(約55億2,300万円)相当にのぼる25万件の取引を処理し、成功を収めたことに続くものだ。発表時点で、同社におけるリップルネット経由のODL取引は、オーストラリア、日本、フィリピン、シンガポールなどで行われているが、今後、他国を追加する見込みだという。
リップル社は、2021年にTranglo社の株式40%を取得し、RippleNetとODLサービスを拡張している。
ODLは暗号資産(仮想通貨)XRPを活用し、RippleNet上で低コストのクロスボーダー決済を促進。ODLを利用する送金業者は、事前の資金調達が不要となり、資本効率を最大限に高めて事業を成長させることができるという。
Tranglo Group CEOのJacky Lee氏は「パートナーは、コストと時間がかかるさまざまな金融仲介機関に資金を収めることなく、送金を開始することができる。ODLにサインアップした送金事業者は(中略)ますます多様化する支払いニーズにより対応できるようになる」とコメントした。
Trangloは、2008年に設立された独自のクロスボーダー決済ソリューションである「Tranglo Connect」を通じて、金融機関や企業のグローバルな決済を支援している企業。Tranglo Connectは、エンドツーエンドの決済プロセスを統合し、ペイアウトとパートナーサービスの包括的な統合を提供している。
これまでの国際送金では、異なる法定通貨を取引する際、送金先の金融機関が現地通貨で資金を事前に調達する必要があった。こうしたコスト・手間を削減するため、「ブリッジ通貨」としてXRPを採用しているのがODLだ。XRPは暗号資産のなかでも、処理コストが安く、取引スピードが速いという特徴がある。(提供:月刊暗号資産)