9日のビットコイン(BTC)は4万2000ドル(約488万円)台まで回復。米国における暗号資産(仮想通貨)関連の大統領令について、ジャネット・イエレン米財務長官の声明文が先行して公開されたことが要因と言える。

米大統領令受け暗号資産市場反発も、依然乱高下続く
(画像=月刊暗号資産)

米国時間8日夜、米財務省にて公開されたイエレン財務長官の声明では、「バイデン大統領の歴史的な大統領令は、デジタル資産政策に協調的かつ包括的なアプローチを求めるものである。このアプローチは、国家、消費者、企業に多大な利益をもたらす可能性のある責任あるイノベーションを支援するものである」と述べられた。なお、この声明は即時削除された。

暗号資産、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関して前向きな発言であると捉えられたことから、投資家が先行してビットコインを始めとした暗号資産を購入したものとみられる。

さらに、9日に発表された大統領令では、暗号資産について国を挙げて調査、検討をしていくという前向きな内容も盛り込まれたため、これもプラス材料となった。アジア時間の記事執筆時点では一部利確の決済が入り、4万ドル(約464万円)台を推移している。

また、トランプ前政権の広報部長だったアンソニー・スカラムーチ氏が、「ビットコインの価格は2年以内に10万ドル(約1,160万円)に上昇し、将来的には50万ドル(約5,803万円)に達するという予測を立てた。同氏は、「ビットコインは今後5~8年先には1億ウォレットを持つ。インフレのヘッジ手段として機能していくと思う。暗号資産の投資を避けたり、ごくわずかしか投資しないのは間違いだと言える」とMagnifi Mediaのインタビューで答えていた。

ロシア・ウクライナ情勢を巡り大幅に下落した世界の金融市場。ビットコインも一時は3万3000ドル(約383万円)台まで下落していた。現在は、マイナス材料の出し尽くし感が出始めたことに加え、停戦に関する期待も出てきたことから、好材料が出ればさらなる上昇要因となり得る。

1バレル130ドルを突破した原油も現在は下落傾向。現在は111ドル台にまで値を下げた。OPEC(石油輸出国機構)が増産を検討することを発言し、加盟国のUAE(アラブ首長国連邦)が原油増産支持したことを表明したことが大きく影響している。

株式市場も米Amazonが株式分割、自社株買いを発表するなど好材料が出ると、ダウ平均は一時800ドル超反発。ナスダックも上げ幅を500ポイント越えした。日本の株式市場も一時、前日比1,000円超高を記録した。(提供:月刊暗号資産