ニューヨークの春は短く、寒暖の差が大きい。最高気温が20℃を超え、すっかり暖かくなったと思ったら、同じ週に雪がパラつくといった具合である。3月は天気予報を見逃すと服装が場違いになる可能性があるので、毎朝のチェックは必須だ。

米国株,見通し
(画像=Vitmann / pixta, ZUU online)

さて、マーケットに目を転じると、米株式市場は依然として不安定な展開が続いている。2022年3月7日にはS&P500が前日比で3.0%安に見舞われ、1日の下げ幅としては2020年10月以来の大幅安を記録した。3月11日時点の年初来の騰落率はマイナス12.4%である。その一方で、国際商品(コモディティー)は原油価格の一時130ドル超えを筆頭に、アルミニウム、ニッケル、小麦、そして金価格等が軒並み上昇するなど熱い展開が続いており、株式市場との「寒暖の差」が顕著となっている。

本稿執筆時点で、ロシアのウクライナに対する軍事侵攻から2週間が経過したが、現地ではいまも戦闘が続いている。後段で述べる通り、欧米各国はロシアのプーチン政権の弱体化を見据えた経済制裁に動いているが、その代償として原油など国際商品価格の高騰を受け入れざるを得ない情勢と見ることもできる。

今回は米国経済の話題を交えながら、国際商品価格の動きを整理してみよう。