日本を含む主要7ヵ国(G7)は11日、ロシアの経済制裁に関する共同声明を発表した。その中に、暗号資産が制裁対象として含まれていることがわかった。
声明では、「私たちは、すでにロシアを孤立させており、この不当な戦争について、プーチン大統領とその政権の責任を追及する決意で一致している。世界は一丸となって、プーチン大統領とその政権に対し、現在進行中のウクライナに対する攻撃を直ちに停止し、軍を撤退させるよう求めるべきである」と述べている。
経済制裁については、 「プーチン大統領が2月24日にロシア連邦の侵攻を開始して以来、我々は市場の大規模な反応から見てもわかるように、ロシアの経済および金融システムに対して著しい損害を与える制限的措置を課してきた」と説明。
その上で、「我々は、ロシアの主要銀行を世界の金融システムから孤立させ、ロシア中央銀行の外貨準備の活用能力を鈍らせる。これらの措置はロシアのプーチン大統領とその共犯者、そしてベラルーシのルカシェンコ政権を標的にしている」と述べ、経済制裁を強める姿勢を示した。
なお、今回の発表では主要製品に関する最恵国待遇の撤回や、国際金融機関から融資を受けられないようにするなどの7つの方法で経済制裁を強化するという。その中に、暗号資産も含まれた。
具体的には、以下のような制裁強化を掲げている。
- ロシアの最恵国待遇の取り消し
- 国際通貨基金(IMF)をはじめとした国際金融機関からの融資を阻止
- 制裁対象となる個人や団体に対する制裁の継続
- 暗号資産などのデジタル資産を用いた制裁逃れを監視
- ロシアが拡散する偽情報に対処
- 重要製品および技術の輸出入を制限
- 資金調達能力の抑え込み
声明では「我々は経済制裁措置の有効性を維持し、取り締まりを強化し、抜け穴を封じることを約束する。具体的には、制裁回避を防ぐために計画された他の措置に加えて、我々はロシア国家とエリート、代理人、オリガルヒ(新興財閥)が、国際的な制裁を回避、または相殺する手段として、デジタル資産を活用できないようにし、世界の金融システムへのアクセスをさらに制限していく」と語られた。
G7は加えて、「我々の制裁は、暗号資産も対象としていることは一般的に理解されている」と述べ、暗号資産やデジタル資産を利用した制裁逃れを阻止していく姿勢を打ち出した。
最後に「我々は引き続き、ウクライナ国民およびウクライナ政府とともに歩んでいく。我々は、第三国を含む我々の措置の影響を引き続き評価し、プーチン大統領とその政権にウクライナへの攻撃に対する責任を取らせるため、さらなる措置を取る用意がある」と締め括っている。(提供:月刊暗号資産)