2022年2月9日、ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は州内のマスク着用義務と新型コロナウイルスのワクチン接種証明の提示義務を撤廃すると発表した。現在、着用義務が残っているのは病院のほか、地下鉄などの公共交通機関ぐらいである。こうした流れもあって、最近のマンハッタンはマスク姿がすっかり減っているのだが、口元が見えるとなんとなく安心するのか、街全体がワントーン明るくなったように感じられる。あくまで筆者の個人的な印象であるが、人々がマスクを外すだけでこれほど街の雰囲気が変わるものなのか、と実感している。

デジタル ドル,ビットコイン
(画像=kino_noko / pixta, ZUU online)

さて、街の雰囲気とは裏腹に米株式市場は依然として暗雲に覆われたままだ。ウォール街ではウクライナ危機を巡る対ロシア経済制裁とその影響が話題の中心であり、株価の方向性も見定めにくい情勢にある。

一方で、にわかに注目されはじめている市場もある。ビットコインなどの暗号資産だ。3月9日、ジョー・バイデン米大統領が暗号資産など『デジタル資産に関する大統領令』に署名したことで、暗号資産市場は活況を呈し、ビットコインは前日比で一時8.0%高の4万1,944ドルに急騰する場面も見られた。

イエレン米財務長官が「歴史的な大統領令であり、国家や消費者、企業に利益をもたらす責任ある革新を支援する」と讃える、『デジタル資産に関する大統領令』とはどのようなものか? 今回は、その背景と狙いを読み解いてみよう。