株式投資を始める人の多くが、日本株の売買の基本単位が「100株」であることに驚く。1株1,000円の株を購入する場合、最低でも10万円必要になるからだ。しかし最近は「ミニ株」という仕組みがあり、取引が1株からできるようになった。ミニ株について包括的に解説する。

そもそも「ミニ株」とは?

ミニ株(単元未満株)とは?メリットやデメリットは?
(画像=Tupungato/stock.adobe.com)

「ミニ株」は「株式ミニ投資」の通称で、基本の売買単位に満たない株数の売買取引のことだ。「単元未満株」などと呼ぶこともある。

冒頭で触れたとおり、日本株の基本的な売買単位は「100株」で、この売買単位を「単元株」と呼ぶ。単元株未満、つまり1株や10株の売買取引のことを、株式ミニ投資やミニ株と呼ぶわけだ。

ちなみに単元株という仕組みは日本独特のものだ。例えば米国株は1株単位で売買することができるため、ミニ株という仕組みはアメリカにはない。

ミニ株で投資する方法

ミニ株を利用するためには、ミニ株のサービスを提供している証券会社で口座を開設する必要がある。最近はミニ株のサービスを提供する証券会社が増えているが、すべての証券会社がミニ株に対応しているわけではない。

また、現時点では日本のすべての上場銘柄がミニ株の仕組みで購入できるわけではない。各証券会社がミニ株で取り扱っている銘柄は、証券会社の公式サイトなどで確認できる。

ミニ株のメリットは?

ここからは、ミニ株のメリットとデメリットを見ていこう。まずはメリットからだ。

メリット①:少額投資ができる

最大のメリットは前述のとおり、少額投資ができることだろう。

例えば、カジュアル衣料品チェーン「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングの2022年3月2日の終値は1株6万3,250円なので、100株を購入する場合は632万5,000円が必要だ。しかし1株から購入することができれば、6万3,250円で購入できる。

日本の上場銘柄の中には、株価が数十円の銘柄もある。一方でファーストリテイリングのように1株1万円以上の銘柄もあり、そのような銘柄を買いたい場合はミニ株を利用すると買いやすくなる。

メリット②:限られた資金でも分散投資ができる

株式投資で安定的な成果を出すためのセオリーの一つに「分散投資」がある。複数の銘柄を保有することで資産の下落リスクが分散するため、「大勝ち」する可能性は低くなるが、「大負け」を避けやすいというものだ。

ミニ株であれば1銘柄あたりの購入額が少なくて済むため、株式投資に使える資金が限られていても分散投資を実現しやすい。

メリット③:配当金を受け取れる

配当を出している銘柄を保有していると、定期的に「配当金」を得ることができる。配当金は100株単位で投資していなくても、保有株数に応じて受け取れる。ミニ株だからといって、配当を受け取ることができないわけではないのだ。

ミニ株のデメリットは?

続いて、ミニ株のデメリットを見てみよう。

デメリット①:手数料が割高

株式を売買する際は、基本的には「手数料」がかかる。ミニ株の場合、手数料が単元株の売買よりも割高になるケースが多い。

デメリット②:リアルタイムの価格で取引できない場合がある

証券会社によっては、ミニ株をリアルタイムの株価で取引することができず、「売買価格はその日の始値」というように決められているケースがある。一方で単元株以上の取引であれば、証券取引所の取引時間内なら、いつでもリアルタイムの株価で売買できる。

ただし、証券会社によってはミニ株でもリアルタイムの株価で取引ができるところもある。

デメリット③:基本的に株主優待を受けられない

日本には「株主優待」という独特の制度がある。自社株を一定数以上保有している株主に対し、自社の商品や特別割引券などを進呈する仕組みだ。

現在、ほとんどの企業が株主優待の対象者を「保有株式数100株以上」としているため、ミニ株で投資している人は株主優待の対象から外れる。

ただし、最近は保有株数が1株でも株主優待を受けられる企業が増えている。とはいえ、まだ極めて少数だ。

株式投資初心者に始めやすいミニ株

ミニ株は株式投資の初心者にとっては始めやすいものだろう。少額投資になりやすいため、株価が下がって損失が出たとしても、比較的小さな額に抑えることができる。

まずはミニ株で株式投資に挑戦し、ある程度経験を積んだら、単元株の売買にトライするのもよいだろう。

(提供:manabu不動産投資

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