この記事は2022年4月11日に「月刊暗号資産」で公開された「バイナンス、UAE首都のアブダビでライセンス取得」を一部編集し、転載したものです。
アラブ首長国連邦(UAE)の首都・アブダビに位置する国際金融センター「アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)は10日、大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)に対し、暗号資産およびデジタル資産のブローカーディーラーとしてのライセンスを原則承認したと発表した。バイナンスが中東地域でライセンスを取得するのは、バーレーン、ドバイに続き3箇所目となる。
発表によると、バイナンスはADGMの金融サービス機関(FSRA)から暗号資産を含むデジタル資産のブローカーとして活動するために必要な金融サービス許可(FSP)における原則的承認(IPA)を取得したという。
ADGMはアブダビのアル・マリヤ島に拠点を置く金融機関で、UAEにおける金融サービスの環境改革を目的に立ち上げられた。2018年に包括的な暗号資産規制の枠組みを策定するなど、暗号資産の環境整備にも取り組んでいる。
UAEを含む中東地域での活動に注力するバイナンスにとって、アブダビでのライセンス取得は重要なものと言える。プレスリリースにおいても、「規制に準拠した暗号資産サービスプロパイダーとしての地位を確立する計画の一部」と言及しており、バイナンスが掲げる目標達成に向けまた一歩前進した格好だ。
今後、FSRAの申請が完了し次第、バイナンスはBinance (AD) Limitedを通じて中東・北アフリカ(MENA)地域全体の顧客にサービスを提供することが可能になるという。
ADGMのDhaher bin Dhaher氏は、「我々はバイナンスがADGMで原則的な承認を得たことを嬉しく思っており、UAEの首都であるアブダビでの地盤とプレゼンスの確立に向けて取り組む同取引所をサポートできることを楽しみにしている」とコメントした。
また、バイナンスのMENA責任者であるRichard Teng氏は、「バイナンスは、グローバルスタンダードを維持し、暗号資産エコシステムの発展と持続可能な成長を共同で促進するという継続的なコミットメントの一環として、ADGMなどのグローバル規制当局に積極的に関与してきた」と、これまでの活動を説明。
さらに、「ADGMは、グローバルなブロックチェーンエコシステムの成長をサポートするために、堅牢な暗号資産規制の枠組みを導入したパイオニアだ。私たちは、申請プロセスにおけるADGMのサポートに感謝し、MENA地域全体とそれ以降に私たちの世界クラスの提供とサービスのより広い展開のために、ADGMと他の主要なアブダビ関係者と密接に協力することを楽しみにしている」と述べた。(提供:月刊暗号資産)