この記事は2022年4月26日に「月刊暗号資産」で公開された「ビットコインなど暗号資産反発 イーロン・マスク氏のTwitter買収受けドージコイン高騰」を一部編集し、転載したものです。


通貨
(画像=PIXTA)

25日に4万ドル(約511万円)割れ、3万8,000ドル台まで下落していたビットコイン(BTC)は、大手電気自動車テスラのイーロン・マスク氏によるTwitter社の買収案成立という報道を好感材料として一気に上昇した。

記事執筆時点では4万ドル台を回復し、4万500ドル(約517万円)近辺を推移している。

マスク氏が買収成立に関してTwitterで報告すると、暗号資産(仮想通貨)ドージコイン(DOGE)も高騰。一時26%上昇し、暗号資産市場を牽引した形だ。取引量においても、ドージコインは前日比145%と急増した。

現状、ビットコインは3万8,000ドル台がサポートとして機能していることがうかがえる。デイリーチャートでは、今年の最安値から緩やかながらも、上昇傾向にあることが見て取れる。

コインシェアーズ(Coinshares)の週間レポートによれば、暗号資産市場投資商品はここ3週に渡り2億1,900万ドル(約280億円)の流出があり、全体的に下がったことがうかがえる。また、ビットコイン関連ファンドにおける月累計の流出額は1億7,800万ドル(約227億5,000万円)にとどまっている。ビットコインの大口保有率は高い水準を保ったままで、現在が安値付近と見ている機関投資家が多い様子だ。

一方で、5月3、4日の両日に開かれるFOMC(米連邦公開市場委員会)が終わるまで、暗号資産市場および株式市場は不安定な相場が続く。利上げ数字が明確に示されるまでは現状の金融市場に安心感は見られないと考えられる。

FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、FOMC後に記者会見を行うことを発表した。対面形式の議長会見は2020年3月3日以来、約2年ぶりで、新型コロナウイルスの感染拡大以降初めてとなる。

前回は0.5%の緊急利上げについて言及したが、今回も重要な発言が出されると考えられており、一部では、0.75%幅の利上げが行われるとの懸念も広がっている。

米セントルイス連銀のブラード総裁が中旬にイベントで「グリーンスパンFRB議長時代の1994年にもそうした利上げが行われた」と指摘していた。

金融市場全体でFOMC通過を待っている状態と言っていいだろう。FOMCを通過すれば全てが折込み済みと判断され、上下どちらかに大きく動く可能性がある。(提供:月刊暗号資産