この記事は2022年5月25日に「月刊暗号資産」で公開された「暗号資産取引所FTX.US、株取引サービスの提供に向け証券会社を買収か」を一部編集し、転載したものです。
大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXが提供する米国向けサービス・FTX.USが、株取引サービスの提供に向けて動き出していることが明らかになった。23日、米CNBCが報じた。
報道によると、同取引所はすでに3つ以上の証券スタートアップの買収を計画しているとの情報も出ている。
FTX.USが株取引サービス「FTX Stocks」の提供を計画していることは以前から明らかになっており、ユーザー数の拡大を目指して手数料無料でのサービス提供を予定している点で注目を集めていた。
同取引所の内事情に詳しい事情通によると、具体的には過去数ヶ月WebullとApex Clearing、Public.comの3社との間で秘密裏に買収交渉が行われていたという。この3社らは金融取引所業規制機構(FINRA)に加盟している証券会社であり、株取引の仲介や投資への助言も許可されている。さらに、それぞれ証券投資者保護(SIPC)にも加盟しているため、仮に企業が倒産した場合の投資家保護も完備されている。
また、13日にはFTXのCEOを務めるサム・バンクマンフリード(Sam Bankman-Fried)氏が、米大手投資プラットフォーム・ロビンフッド(Robinhood)の株式のうち7.6%を取得したことも明らかになっている。同氏は株式の保有目的は「投資である」とコメントしているが、FTXがロビンフッドの買収を検討している可能性も考えられるだろう。
なお、暗号資産取引所であるFTX.USが株取引を提供する流れと同時に、従来の金融機関が暗号資産関連の商品の提供に踏み込むという流れも以前から確認されている。
例えば、米国ではビットコインETFが上場したことで、より幅広い投資家がポートフォリオの一部に暗号資産を取り込むことができるようになった。暗号資産関連商品も従来の金融商品も取引できるプラットフォームへの需要は次第に増えてきていると考えられる。
FTX.USが幅広い金融サービスを提供する総合的なプラットフォームとして、どのような拡大を見せていくのかに注目が集まる。(提供:月刊暗号資産)