この記事は2022年5月26日に「月刊暗号資産」で公開された「FOMC通過で米国株上昇 ビットコインは三角保ち合いに突入」を一部編集し、転載したものです。
25日のニューヨーク株式市場は、ダウ平均株価が前日比0.6%、191.66ドル高と反発。連邦公開市場委員会(FOMC)議事録要旨が想定の範囲内に収まっていたことで、市場の警戒感が後退した。
今月3日から4日にかけて行われた会合では、「今後2回の会合で0.5ポイントずつの利上げが必要との認識で当局者が一致した」ということが明らかになった。
議事録には、「政策緩和の解除を早めれば、委員会は年内において政策引き締めの効果および経済の展開が政策調整をどの程度正当化したかを見極める上で良い位置につけることができると多くの参加者が判断した」という内容が記されている。
また、当局者が1段の利上げを進める上で金融状況に注意を払っている様子も伺える。具体的には、「金融安定に関する問題に言及した幾人かの参加者は金融引き締めが米国債市場の流動性や民間部門の仲介能力にからむ脆弱性と相互作用を起こす可能性を指摘した」と記している。さらに、8兆9,000億ドル(約1,127兆5,000億円)に上るバランスシートを6月1日から縮小開始と決まった。
議事要旨は連邦準備制度理事会(FRB)のスタッフがインフレ予測を引き上げたことも示されている。個人消費支出(PCE)総合価格指数は2022年に4.3%上昇するが、23年には2.5%上昇に鈍化すると予測した。米金融当局は2%の上昇を目標としているが、それに近い値となる。
米株価指数は上昇を見せたが、暗号資産(仮想通貨)市場は小反発にとどまっている。ビットコイン(BTC)については2万8,000ドル(約354万円)~3万1,000ドル(約392万円)の三角保ち合いに突入している。どちらかを抜けたとしても大きく動く可能性があるため、投資家は慎重な姿勢を崩さないと考えられる。
一方で、ザ・サンドボックス(SAND)は一時前日比約12%の上昇を見せた。米大手暗号資産取引所コインベース(Coinbase)に上場したことが好材料と捉えられた格好だ。
また、JPモルガンのストラテジストは「オルタナティブ投資の展望と戦略ノート(JPMorgan’s alternative investments outlook and strategy note)」というレポートの中で、「デジタル資産が不動産に代わるオルタナティブ資産となった」と指摘した。レポートでは、「テラ崩壊の影響は限定的であり、回復力がある」としている。
また、ビットコインの適正価格は「3万8,000ドル(約481万円)」と記しており、高価な不動産よりも現在は価格の安いデジタル資産を検討する方が望ましいとの姿勢を見せた。(提供:月刊暗号資産)