この記事は2022年5月31日に「月刊暗号資産」で公開された「ロシア、暗号資産による国際決済を合法化か」を一部編集し、転載したものです。


ロシア経済,見通し
(画像=PIXTA)

制裁下のロシアが、暗号資産(仮想通貨)による国際決済を合法化する方向で検討していることがわかった。ロシア財務省の発言として、インタファクス通信やロイターなどが報道した。

ロシアでは暗号資産に対する規制について約1年半前から議論されてきた。西側諸国を中心とした制裁の影響を受けて、国際決済から締め出されつつある環境が、ロシア政府の暗号資産合法化を加速させているものとみられる。

以前、ロシア中央銀行は暗号資産の合法化に関して反対の姿勢を示していたが、国際決済の利用に関して財務省の意向を反映し賛成に回る模様だ。エリビラ・ナビウリナ(Elvira Nabiullina)総裁が反対の姿勢を見直していることを認めている。

地元紙・ベドモスチによると、ロシア財務省は新たな修正法案を提出することを検討しているとのことで、修正案ではロシアの企業や個人が、海外との国際決済で暗号資産を利用することを可能とする様子だ。

また暗号資産取引に関する事業を行う上で、規制当局からライセンスを取得していない事業者はロシア国内での営業に関しては認めないという内容となっている。

認可を取得した暗号資産取引所は、暗号資産保有者の取引データを含める情報を3年間保存する義務を課す方向で進めており、KYC(本人確認)で確認できたユーザーのみがロシアの銀行口座を連携させることで、暗号資産取引を行うことを可能とすることを修正案で盛り込む予定となっている。(提供:月刊暗号資産