この記事は2022年6月7日に「月刊暗号資産」で公開された「米SEC、バイナンスが発行するBNBを調査か」を一部編集し、転載したものです。


景気ウォッチャー調査
(画像=PIXTA)

米証券取引委員会(SEC)が、暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)の独自暗号資産であるバイナンスコイン(BNB)に関して調査していることがわかった。7日、Bloombergが報じた。

報道によると複数の関係者が明らかにしたとしており、2017年に行われたバイナンスコインのICO(イニシャル・コイン・オファリング:Initial Coin Offering)に関して、証券取引の規則に違反していないか調査しているという。具体的には、SECの登録が必要とする証券発行に相当するかどうかを検証しているようで、調査は数ヵ月かかるようだ。

バイナンスコインは記事執筆時点で、3万7,000円前後で取引されており、時価総額5位につけている。暗号資産市場において代表的なアルトコインにまで成長しており、ネガティブな調査結果が出れば市場全体に影響する可能性があるだろう。

バイナンスはSECから複数の調査を受けており、展開次第では取引所そのものに対する問題として発展することも考えられる。

バイナンスは発表資料で「教育やアシスタンス、情報提供要請に対する自主的な対応を含む当局との現在行っている対話に関し、私たちがコメントするのは適切ではない」と説明している。また、バイナンスはすでに当局と協力しており、「規制当局が設定する要件を引き続きすべて満たす」と付け加えている。

なお、今回の件についてSECはコメントを控えている。

暗号資産は投資家が企業やプロジェクトに資金提供を行い、その成長の結果、利益を得ることを意図して購入した場合、SECの管轄領域になる可能性がある。この判断は投資契約を定義する1946年の米国最高裁の判決に基づいたものだ。

Bloombergは以前にも、バイナンスが司法省、商品先物取引委員会、内国歳入庁からの捜査を受けていると報じていた。

SECは、2020年12月にリップル(XRP)についてもSECに登録するべき有価証券であるとして訴訟を起こしている。今もなお裁判は継続中であり、大きな進展は見られていない。(提供:月刊暗号資産