この記事は2022年6月14日に「月刊暗号資産」で公開された「BlockFi、Crypto.comが人員削減 相場状況受け発表相次ぐ」を一部編集し、転載したものです。
近頃の暗号資産(仮想通貨)市場はビットコイン(BTC)をはじめ、多くの銘柄が大幅下落を見せるなど、芳しくない状況が続いている。そして暗号資産関連企業もその煽りを受けている状況だ。
暗号資産レンディングサービス大手のBlockFiは13日、人員削減を発表した。
発表では、「過去、何度か厳しい時期がありましたが、今が最も厳しい状況です。世界的なマクロ経済状況の劇的変化に影響を受けています。腹の底から痛むような状況に立たされている今、人員を削減しなければなりません」と説明。具体的な対応として、「従業員数を20%削減しなければなりません。非常に辛い決断です。彼らは非常に優秀な人材です。現在、彼らの準備が整い次第、次の採用先を見つけられるよう取り組んでいます」と胸中を明かした。
BlockFiは世界で65万人以上の顧客に対しサービスを展開している。2020年末の従業員数は約150名であったが、2022年には850名まで増えた。
一方、従業員数の増加に伴い収益の確保が課題として上がったが、それと同時に暗号資産の市況が悪化。対応策として、「マーケティング費用の削減」「不要なベンダーの排除」「役員報酬の削減」「新規採用の見送り」などの措置を取ってきたが、現在、収益目標を達成するために従業員削減という措置を講じざるを得ない状況であるという。
また、暗号資産の取引サービス等を手がけるCrypto.comも人員削減を11日に発表した。同社のCEOであるKris Marszalek氏は、「収益性の確保と暗号資産市場で生き残り、成長しなければならないため」と声明で述べている。
暗号資産業界では「暗号資産の冬」が到来したとの言葉もささやかれつつある。
米暗号資産取引所Geminiは今月2日、従業員の10%を削減すると発表。創業者のウィンクルボス(Winklevoss)兄弟両氏は、「急成長、急収縮、静止のサイクルで成長する。現在は暗号資産市場の急収縮の時期であり、さらに悪化していく状況下にある」と声明で述べている。
さらに、米暗号資産取引所のコインベース(Coinbase)は雇用の新規採用を停止した。コインベースは迅速に対応することで、現在のマクロ経済状況を乗り切り、健全な成長とイノベーションを実現すると声明を出している。(提供:月刊暗号資産)