この記事は2022年6月14日に「月刊暗号資産」で公開された「ビットコイン、暴落で一時300万円割れ 米FRBの利上げ懸念強まる」を一部編集し、転載したものです。
14日の暗号資産(仮想通貨)市場では大幅な価格下落が見られている。
ビットコイン(BTC)は2万5,000ドル(約337万円)を割り込み、一時は前日比10%以上もの下落となる2万1,000ドル(約282万円)ほどまで到達。10日に約3万ドル(約403万円)を推移していたものの、わずか4日で8,000ドル(約107万円)もの下落を見せた形だ。
日本円ベースで見た際、ビットコインが300万円を下回ったのは2020年12月以来となる。記事執筆時点では2万2,500ドル(約303万円)を推移しており、依然として不安定な状況は続いている。
また、イーサリアム(ETH)も2021年1月以来となる安値1100ドル(約14万8,000円)を割り込み、一時1,060ドル台(約14万2,500円)まで下落した。現在は1,220ドル(約16万1,500円)ほどを推移している。
10日の米時間に発表された米CPI(米消費者物価指数)やインフレ率の伸び加速を受け、暗号資産市場のみならず、日米欧の金融市場においても大きな影響が見られている。
こうした状況を受け、14、15日に開かれるFOMC(連邦公開市場委員会)会合において、1994年以来となる0.75ポイントもの大幅利上げを決定する可能性が浮上した。パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長は5月のFOMC会合後の記者会見で、経済データが予想通りとなれば、6月と7月のFOMC会合では大幅利上げは見送り、0.5ポイントの利上げが検討対象になると示唆していた。
週明け13日のニューヨーク株式市場は大幅に値下がりして始まり、ダウ平均株価の下げ幅は前週末終値比876.05ドル安(2.79%)の30516.74ドルで終えた。一時は1,000ドルを超える下げ幅を記録し、FRBによる金融引き締めへの懸念が一層強まったことを鮮明にした形だ。また、S&P500は151.23安(3.88%)の3,749.63、ナスダック総合指数は530.80安(4.68%)の10,809.22で終えた。
米10年債利回りにおいては2011年以来の高水準を記録し、アップル(Apple)、マイクロソフト(Microsoft)、アマゾン(Amazon)などといったハイテク株が売られた。
ウクライナ・ロシア情勢を背景に原油を始めとする物価高に加え、FRBの積極的な利上げが要因となり、現在の金融市場は圧迫されリスクオフの流れが強まっている状態にある。暗号資産市場においてもこうした状況が重荷となり、連日の全面安を記録することとなった。
今後の暗号資産市場および株式市場を占う上で、14、15日に開催されるFOMCの結果は非常に重要なものとなる。利上げ幅の動向等によってはさらなる大幅変動が起こる可能性もあり、内容が明らかになるまでの間は金融市場全体で軟調な値動きを見せることも考えられる。
インフレ懸念が高まっている中でのFOMCは世界経済全体に大きな影響を与えるため、動向を注視する必要がある。(提供:月刊暗号資産)