この記事は2022年6月16日に「月刊暗号資産」で公開された「OpenSea、オープンソースプロトコル・Seaportへの移行計画を発表」を一部編集し、転載したものです。


OpenSea
(画像==Diego/stock.adobe.com)

大手NFT(非代替性トークン)マーケットプレイスのOpenSeaが14日、売買プロトコルをSeaportへ移行することを発表した。

Seaportは非中央集権型のオープンソースとなっており、利用するユーザーたちが自由に構築してリリースすることが可能となっている。この移行に伴い、これまで課題とされてきたガス代(手数料)を最大35%削減できるという。

昨年のデータを基準に計算した場合、4億6,000万ドル(約610億円)ものガス代を削減することができることになる。また新規ユーザーの口座開設手数料もなくなるため、ユーザビリティの向上が見込まれている。OpenSeaのコミュニティとしても年単位で1億2,000万ドル(約160億円)もの金額を節約することが見込まれるため、大きなコスト削減につながるとしている。

この他、Seaportへの移行により、コレクション全体にオファーをする「コレクションオファー」や、属性別のアイテムにオファーをする属性別のオファーが可能となった。属性別のオファーは上位100アイテムにのみ最初は利用可能になるとのことだ。

Seaportの移行により、ウォレットの署名確認をシンプルかつ見やすい設計にしているという点も特徴の1つとなっている。また一括出品の機能や、まとまった数量で取引を行うことができる機能も今後実装される予定だという。

OpenSeaはNFTを牽引する業界屈指のプラットフォームだ。そのOpenSeaにおいて大きな課題となっていたガス代の削減が可能となったことで、ユーザーの利便性はさらに向上し、参入障壁の引き下げにも寄与する可能性がある。

今後、OpenSeaの競合となるNFTプラットフォーマーがどのように差異化を図るか、動向が注目される。(提供:月刊暗号資産