この記事は2022年6月23日に「月刊暗号資産」で公開された「バイナンスUSがビットコイン取引の手数料無料化へ 」を一部編集し、転載したものです。
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)の米国法人であるバイナンスUS(BinanceUS)が22日、ビットコイン取引の完全無料化を発表した。
同社は発表で、「バイナンスUSはビットコイン取引手数料ゼロを発表し、新規、既存ユーザーの全てに適用します」と述べている。具体的には、BTC/USD、BTC/USDT、BTC/USDC、BTC/BUSDの取引を無料にするという。
同社のCEOであるブライアン・シュローダー(Brian Shroder)氏も22日、自身のTwitterで、「今日からビットコイン(BTC)の取引手数料を無料にします。宣伝ではなくて、完全に無料にするということです。また、取引にかかるスプレッドも取ることはありません」と述べた。
バイナンスUSはビットコイン取引における手数料を無料にする理由について、「バイナンスUSはお客様に素晴らしい体験と価値を提供するため、手数料体系を変更します。低手数料取引に関して、業界を牽引するため、私たちは全てのユーザにビットコインペアのスポット取引手数料を取り除く米国の最初の暗号資産取引所になります」と説明。
さらに、「暗号資産業界における手数料の取り組み方に革命を起こします。お客様の暗号資産へのアクセス性を高め、市場と顧客をより良くサポートする良い機会と考えています」と語った。
また、シュローダー氏は同日、Bloombergに対して、他の暗号資産についても取引手数料の無料化を検討していることを明かした。同氏によると、今夏には新たな手数料モデルを段階的に展開していくとしている。
バイナンスUSの目的は新規顧客の獲得と、既存顧客の定着にあると考えられる。「暗号資産の冬」と囁かれる中、顧客の新規開拓を目指す。これはバイナンスのCEOであるCZ(チャンポン・ジャオ:Changpeng Zhao)氏による「暗号資産の冬はチャンス」という考えが反映されているものとみられる。
暗号資産取引所にとって取引手数料は利益につながる重要な部分だ。市況が悪化する中での取引手数料無料化は他社にも大きな影響を与える可能性がある。(提供:月刊暗号資産)