この記事は2022年6月25日に「月刊暗号資産」で公開された「米コインベース、個人投資家向けビットコイン先物をローンチ」を一部編集し、転載したものです。
米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)は24日、同社として初となるビットコイン先物を27日にローンチすると発表した。同社初のデリバティブ商品となる。
今回コインベースが発売するのは「Nano Bitcoin Futures」という先物商品だ。個人投資家向けに設計された先物商品で、取引額は1BTCの100分の1になるという。CMEが提供するビットコインのマイクロ先物と同類の商品だ。
取引に関しては、「Coinbase Derivatives Exchange」から提供される。同社はコインベースが1月に買収した米商品先物委員会(CFTC)のライセンス「指定契約市場」を持つデリバティブ取引所FairXをリブランディングしたものとなる。EdgeClear、Ironbeam、NinjaTrader、Optimus Futures、Stage 5、Tradovateなどの会社からCoinbase BIT先物が提供される予定だという。
また、現在CFTCに対し、コインベースのユーザーが直接取引することができるように先物取引業者(FCM)のライセンスを申請中とのことだ。
コインベースは先物商品について、「24時間取引、低初期投資、レバレッジ、ロング・ショートのしやすさがトレーダーに人気」と指摘するが、「Nano Bitcoin Futures」もそれを実現しているという。
取引価格を100分の1に抑えることで、従来の先物商品よりも初期資金が安くなる。ビットコイン価格が2万1,000ドルであれば、210ドルで取引が可能だ。
コインベースは声明で、「暗号資産デリバティブ市場は世界で30億ドル規模の取引高がある。さらなる商品開発と利便性の良さが大きな成長の鍵となるだろう。あらゆるトレーダーが米国の暗号資産デリバティブ市場にアクセスし、トレード、現物暗号資産のリスクヘッジにできるよう、先物の利点を広い市場にもたらすことはこれまで以上に重要だ」と述べた。
なお、同じく米暗号資産取引所FTX.USも今年5月、株取引プラットフォーム「FTX Stocks」をローンチしている。同取引所では米ドルペッグのステーブルコイン「USDC」が利用できると注目を集めていた。
今後、大手暗号資産取引所を中心に他社との差別化を図ったサービス・商品がさらに登場する可能性がある。(提供:月刊暗号資産)