この記事は2022年6月27日に「月刊暗号資産」で公開された「ビットコイン、米株反発も280万円台での膠着状態続く」を一部編集し、転載したものです。
27日のビットコイン(BTC)は膠着状態が続いている。日本時間26日夜には一時2万1,800ドル(約294万円)ほどまで上昇したものの、2万2,000ドル(約296万円)を前に上値を重くし、記事執筆時点では2万1,000ドル(約283万円)ほどを推移している。
一方、イーサリアム(ETH)をはじめ一部アルトコインには比較的買いが入っている状況だ。イーサリアムは23日頃から価格を戻しはじめ、26日には一時17万円台に乗せた。
ビットコインの動きが軟調であることから、リスクオンの流れが強まると同時にアルトコインへ資金を投入し、多くの利益を得たいという投資家心理が透ける状況とも言える。
24日はビットコインの先物市場において、先物取引およびオプションの清算が重なるメジャーSQを迎えることなどもあり、様子をうかがうような市況であったが、米国株式市場の動きを背景に足元の下落リスクは軽減した。現地時間24日の米国株式市場はダウ平均が前日比823.32ドル高(2.68%)となる31,500.68ドル、ナスダックが375.43ポイント高(3.34%)となる11,607.62ポイントで終わるなど、大幅増となった。
24日に発表されたミシガン大消費者信頼感指数が50.0となり、速報値の50.2から下方修正されたことなどから、米FRB(連邦準備制度理事会)が進める積極的な金融引き締めに対する懸念が後退した。
27日の日経平均も先週末の米国市場の流れを引き継ぎ、前週末比379円30銭(1.43%)高の2万6,871円27銭と、大幅増で取引を終えている。金融引き締めによる景気後退への懸念が高まる中、リスクを取りやすくなった投資家を中心に買いが入った格好だ。
暗号資産(仮想通貨)においても同様に、リスクを取りやすくなった投資家の資金流入が底固めにつながっていると考えられる。それでも市場の不安要素は取り除き切れないため、当面は一進一退の状況が変わらず続く可能性がある。
6月の終わりにかけて様々な指標が発表されることから、引き続き市況を注視する必要があるだろう。(提供:月刊暗号資産)