この記事は2022年6月28日に「月刊暗号資産」で公開された「FTXがロビンフッドを買収検討と報道 バンクマンフリード氏は否定」を一部編集し、転載したものです。


FTX
(画像=Zhanna/stock.adobe.com)

大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXが、証券売買アプリを提供する米ロビンフッド(Robinhood)を買収する可能性が浮上した。27日、Bloombergが報じた。

関係者によると、現段階では社内で検討されている状況だとしており、買収を断念する可能性もあるという。

一方、ロビンフッドの関係者はFTXから正式な打診はないと明かしている。さらに、FTXのCEOであるサム・バンクマンフリード(Sam Bankman-Fried)氏もBloombergの報道を否定した。

ロイターによると、バンクマンフリード氏は「(ロビンフッドと)提携する可能性があることについては非常に興奮している」と述べたものの、「M&Aについて議論は行なっていない」と語ったという。

Bloombergの報道後、ロビンフッドの株価は急騰。一時14%の上昇を見せ、ストップ高となった。ロビンフッドの株価は金融引き締めによる市場全体の下落とユーザー数の減少により、今年に入り約48%下落していた。

2022年1~3月期の純営業収益は前年同期比43%減少となり、4月下旬には正社員の9%を削減すると表明していた。ロビンフッドによれば、現在の月間ユーザーは1,590万人で、1年前の1,770万人から減少している。

米証券取引委員会(SEC)に提出した資料によると、先月、バンクマンフリード氏はロビンフッドの株式のうち7.6%にあたる6億4,800万ドル(約876億円)相当を購入したことが明らかになっている。バンクマンフリードは購入理由について、「魅力的な投資先というのが購入理由」と記している。

FTXはスポット取引だけでなくデリバティブ商品も提供する暗号資産取引所として、世界各国に多くのユーザーを抱えている。現在は事業拡大に向け企業買収を積極的に進めているほか、相場状況の変化に伴い困難な状況に陥っている暗号資産関連企業の救済に向け動きを加速させている。

先日には、大手暗号資産レンディングサービス・BlockFiに対し、2億5,000万ドル(約337億円)を信用枠内で融資すると発表。また、バンクマンフリード氏の関連企業であるアラメダ・リサーチ(Alameda Research)を通じ、暗号資産ヘッジファンド会社のボイジャー・デジタル(Voyager Digital)に5億ドル(約675億円)相当の融資を決定した。(提供:月刊暗号資産