この記事は2022年6月28日に「月刊暗号資産」で公開された「暗号資産史上最大のハッキング被害に遭ったアクシーインフィニティの「Ronin Bridge」が稼働再開へ」を一部編集し、転載したものです。


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(画像=JorgeEduardo/stock.adobe.com)

Play-to-earn(P2E)の代表的なブロックチェーンゲームである「アクシーインフィニティ(Axie Infinity)」運営元のスカイメイビズ(Sky Mavis)が、Ronin Bridgeの稼働を28日に再開させる。また、不正流出の被害に遭ったユーザーに対し返還対応も行うという。

Ronin Bridgeはアクシーインフィニティに特化したブロックチェーン「Ronin Network」のサイドチェーンで、イーサリアムブロックチェーンとの橋渡しとなる機能を持つ。

Ronin Networkでは今年3月、暗号資産史上最大規模となるハッキング被害に遭い、稼働が停止されていた。盗まれたのはイーサリアムとUSDコイン(USDC)で、それぞれ17万3,600ETH(当時約725億円相当)と2,550万USDC(当時約30億円相当)がハッキング被害に遭った。

発表によると、今回の対応ではRonin Bridgeをハードフォークし、再稼働することでセキュリティを強化。その後、ハッキング被害に遭ったイーサリアムおよびUSDコインをユーザーに全額返還するという。

Ronin Bridgeは4月にもアップデートを予定していたが延期していた。その後、再設計されたRonin Bridgeが暗号資産セキュリティ企業セルティック(CertiK)の監査を通過し、稼働再開に至っている。

スカイメイビズは被害金の全額返還を目的に1億5,000万ドル(約200億円)の資金調達を4月に行っていた。この資金調達は大手暗号資産取引所バイナンス(Binance)が主導し、アニモカ・ブランズ(Animoca Brands)、アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)、ダイアレクティック(Dialectic)らが参加した。

今年4月、FBI(米連邦捜査局)はRonin Bridgeのハッキングは北朝鮮のハッカー集団「ラザルス(Lazarus)」によるものだと断定。さらに、米国財務省外国資産管理局(OFAC)は制裁対象者リストもラザウス関連の暗号資産ウォレットを制裁対象者リストに追加したことを発表している。(提供:月刊暗号資産