この記事は2022年6月30日に「月刊暗号資産」で公開された「米SECがグレースケールのビットコインETF転換申請を却下」を一部編集し、転載したものです。
米証券取引委員会（SEC）は29日、米暗号資産（仮想通貨）運用会社大手グレースケール（Grayscale）のビットコイン投資信託「GBTC」の上場投資信託（ETF）転換申請を却下した。グレースケールは27日、約135億ドル（約1兆8,500億円）相当のGBTCを現物ビットコインETFに転換する申請の承認を得るために最善を尽くしたと発表していた。
SECは申請を却下した理由として、「この申請は市場操作の防止などに関するSECの質疑について明確な答えがなかった。相場操作、詐欺行為の防止、投資家の利益を守るための要件を満たしていない」といった懸念を挙げた。
SECの今回の決定は世界最大規模の暗号資産運営会社ビットワイズ（Bitwise）のビットコイン現物ETFの承認申請を却下したことに続くものだ。
ビットワイズとグレースケールは2021年10月に申請を行い、SECがパブリックコメント等を求めていた。その上で、グレースケールの申請に対する最終判断期限は来月6日となっていた。
グレースケールはビットコイン先物ETFが承認され、原資産に基づく現物ETFを承認しないのは矛盾していると主張している。
同社は却下された場合に備えて、法務チームを立ち上げたことを明かしている。チームの中にはオバマ政権で事務総長を務めたドナルド・B・ベリリ・ジュニア（Donald B Verrilli Jr）弁護士なども加わった。
SECが申請却下を発表した後、グレースケールのマイケル・ソネンシャイン（Michael Sonnenshein）CEOは自身のTwitterでSECを提訴したと明かした。グレースケールは27日の発表で、申請が却下された際には法的措置を取ることを示唆していた。
起訴内容では、ビットコイン先物ETFが昨年承認されたにも関わらず、現物ETFについて承認しないことは矛盾していると主張している。（提供：月刊暗号資産）
