山林投資って誰でもできる?メリットや注意点をわかりやすく解説
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キャンプ好きが高じて山を購入する人や、家を建てる目的で山を購入する人がいるが、資産運用の一環として山を購入し、所得を得ようとする人もいる。いわゆる「山林投資」だ。山林投資は誰でもできるのか。利益はどのように得るのか。基礎知識を解説する。

山林投資とはどのような投資方法?

山林投資とは、山林から得られるリターンを目的に山林を購入・保有することを指す。山林を購入したい場合、まず山林の売買を仲介している不動産業者や山林売買サイト、各地の森林組合などから情報を集めるのが一般的だ。

購入したい山林が見つかったら、現地に出向いて自ら調査を行い、最終的には売買契約を交わし、費用を支払って山林オーナーとなる。山林の土地の保有者は、市町村長への届出も必要となる。

山林投資ではどのようなリターンが期待できる?

アパートやマンションを購入する不動産投資であれば、リターンは「家賃収入」か「売却益」となる。山林投資の場合は、リターンを得る方法は一般的な不動産投資よりも多岐にわたるが、主なものとしては以下だ。

  • 木材の売却による収入
  • 土地の一部売却による収入
  • 電力会社からの収入
  • 携帯電話会社からの収入
  • キャンプ場の運営などによる収入

このうち「土地の一部売却による収入」に関しては、国や地方自治体が道路を通すために、土地の売却を持ちかけてくることがある。また、購入した山林全てを第三者に売却し、購入した価格より高く売却できれば、売却益が残る。

「電力会社からの収入」は、鉄塔や電柱が設置されている場合に得られる収入で、「携帯電話会社からの収入」は、基地局などの設置料等の収入だ。

購入した山林で自ら有料キャンプ場を運営し、収入源とする方法もある。近年はキャンプブームが再来しており、キャンプ場の運営を検討する価値は十分にあると言える。

山林投資のメリット

山林投資に関する税制上のメリットなどについても知っておこう。

税制上のメリット

土地を保有していると固定資産税がかかるが、山林の場合は土地の評価額が宅地と比べて低いため、税金が安く済む。保安林や小規模な山林の場合は、固定資産税が不要なケースもある。また山林を相続する場合の相続税も、宅地や建物と比べて優遇されている。

補助金などのメリット

山林の維持や植林・伐採などの山林の整備を行う場合、国や地方自治体などから補助金や支援を受けられることもポイントだ。補助金によって細かな条件が設けられているため、実際に山林購入を検討する場合は、条件などを事前にしっかりチェックしておきたい。

山林投資の注意点は?

山林投資には独特の注意点もあるため、把握しておこう。

木の伐採について

山林投資では木の伐採から収入を得る方法もあるが、森林法で「保安林」に指定されている場合、伐採の制限がある。伐採には都道府県知事の許可などが必要となり、木を伐採したあとに植栽する義務が生じるケースもあるため注意したい。

流動性(売却できるか)について

株式投資と山林投資を比べた場合は、「流動性」(=すぐ売却できるかどうか)の面で大きな違いがある。株式市場に上場している株式の場合は流動性が高く、ほとんどの場合は買い手が見つかりやすい。だが山林投資の場合は、買い手が見つかるまでに時間がかかるケースが考えられる。

不法投棄について

山林投資独特のリスクとしては、「不法投棄」がある。不法投棄が多くなると山林の景観が損なわれるばかりか、不法投棄で荒れた山林は別な不法投棄のターゲットになりやすいため、自ら費用を出してゴミを撤去する必要性が生じてくる。山林の売却により売却益を狙う場合も、不法投棄があることはマイナス要素となる。

建物の建築について

山林は「市街化調整区域」に指定されているケースの場合、その土地では原則的に基礎工事を伴う建物を建築することはできない。別荘などの建築を計画している場合は、必ず事前にその山林を管轄する自治体に確認するようにしよう。

携帯電話の電波について

携帯電話の電波が届くのかどうかも、現代社会においては重要なポイントだ。特にキャンプ場の運営を検討している場合、携帯電話の電波が届かない山林は避けたほうが無難だろう。自分が山林内で何かの事故に見舞われた場合も、すぐ外部と連絡を取れないと危険だ。

注意点を知った上で、十分な検討を

山林投資をすることは誰でも可能であり、さまざまな方法で利益を得ることもできる。しかし実際に山林投資をする場合は、注意点を知った上で十分な検討を重ね、購入するかどうかを決める慎重さが求められる。

そして資産運用の方法は1つではない。山林投資は不動産投資の一種だが、他にもマンションやアパートなどへの投資手法もある。また、不動産投資以外にも株式に投資する方法も、債券に投資する方法もある。それぞれにメリットとデメリットがあるので、自分に合った資産運用の手法を選ぶのが肝心だ。

(提供:manabu不動産投資

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